豪農の教え
私の母方の祖母の家はとある田舎のそれはそれは広い田んぼを持つ、豪農だったらしい。
「村の半分の土地を持っていた」
「自分の土地を歩いて小学校まで行ける」
「村長にでかい顔をしていた」
などなど嘘か本当かわからない噂話を聞いたことがある。
そんな家で昔田植えの手伝いをしたことがあった。
その時わたしは若さにかまけてドンドン勢いよく作業を行った。
すると途中で具合が悪くなり、ギブアップ。
それをみていた大叔母から
「あんたね、仕事をする時に10割も力を出しちゃいけないよ。7割6割の力でやって明日明後日の余力を残さないと。農業は長期戦だから。」
と、叱られた。
その時はなんとも思わなかったが働き始めるとその言葉が身に沁みる。
働いているとついつい無理して頑張ってしまいがち。
「今さえ乗り越えられればいい」という思考になってしまう。
要は視野が狭くなって目の前しか見えていない。
でも、それだと確実に疲労が蓄積したり、思わぬアクシデントに対応できなくなったりする。
すると途中で上記のわたしのようにギブアップする羽目になる。
やはりある程度は余力を残しておかないといけない。
それが長期的に仕事を続けていく秘訣なのだろう。
さすがは地域で長年豪農として暮らしてきただけあって仕事を継続していくことの本質をしっかり理解しているのだな、と感心する。
無理せず、余力を持って仕事をすれば継続的に仕事を続けられる。
それを実現するのはなかなか難しいとは思うが大叔母に叱られたことは心に留めておこうと思う。
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