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よくある勘違いシリーズ⑦あごの力は要らない
ヴァイオリンそのものの進化や、その付属品によって、できることは増えてきました。しかし、そもそもの奏法が全く変わることは無いと思います。
昔の絵画では、ヴァイオリンを鎖骨や左胸に当てて奏でています。
モーツァルトのお父さん曰く、ヴァイオリンは左手のある箇所で支えるもの、です。親指ではありません。
バロックバイオリンは、次第に、より高いポジションを用いるため、また音量の充実をはかるためにネックや指板が変化しました。
あご当てを発明したのはシュポーアです。
ハイポジションを弾くためには、左肘が楽器の下に相対的に潜るスペースが必要です。
おそらく、そのためでしょう。とても小さいもので、顎を引っ掛けるだけ、頭の重さを乗せるだけです。
肩当ては、メニューインが五十肩に苦しんだ時に発明しました。つまり、肩当てによって進化した奏法はありません。自転車でいう補助輪です。
ここまでかなり大雑把ですが、楽器本体と付属品の進化を見てみました。
自然に考えれば、モーツァルトのお父さん(レオポルド・モーツァルト)の構えは今でも有効で、大切だと思います。
持つ、というよりも当てる、当たる、載せる、というほうがしっくりきます。
当たり前ですが、はさむ、握る、持つ、という動きは楽器の振動を止めます。楽器のスッピンの音を邪魔しないように努めたいものです。
雑談
もっと言えば、ヴィヴラートやポジション移動のとき、右手の弓毛の摩擦でもヴァイオリンを水平方向に支えます。