『今日の人生3』益田ミリ
暑い。
本当ーーーに暑い。
ペーペーな私は先輩にくっついて回ることが多く、商談後にコンビニで先輩がタバコを吸う横で毎回アイスを食べて、計3個食べたあたりから先輩に軽く引かれるくらい暑い。
職業柄お客様先に出向くことが多く、燦々と照りつける太陽の下で、私の顔や腕は着実に黒くなっていく。
黒くなりました…と報告したら「黒さとスキルの習得が比例してるからどんどん黒くなろうね!」とコメントをいただいた。
バタバタと過ごしていた配属月から時間が経ち、少しずつ仕事の内容を理解し、ショートカットキーを覚え、業務後に自分の時間を作れるようになってきた。
会社の先輩たちとジムに行ったり、一人でホットヨガに行ったり、料理をしたりできるようになった。
自分の時間を過ごせることは、私にとって本当に嬉しい。
少しずつ、仕事に関する本と並行して、自分の好きな本も読めるようになってきた。本屋さんで何の本読もうかな〜とぶらぶらする時間が至福であることを、きちんと思い出せた今の私は強い。
大好きな益田ミリさんの新作が出たということで、早速本屋さんに出向いてゲットした。
カレンダー上は月から金まで「仕事」としか明記されないが、朝早く起きてコーヒーが飲めたり、商談で前回より少しだけ上手く話せたり、久々にコンビニでサクレを見つけて買ったり、人生で何もない日なんてない、と気付かされる本。
最後のエピソードも壮大な内容じゃなくて、タクシーに乗ってトンカツ屋さんに行く話。
でも、忙しい毎日の中でわざわざお金をかけて移動してトンカツ屋さんに行くのは、きっと特別な日だ。
私も日々の忙しなさに忙殺されないように、着実に全身を黒く焼かれながら、アイスを片手に夏を乗り切っていこうと思う。