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「時間の面影」

好きな人、好きなもの

みなさん、好きな人はいますか。
私は、高校生の頃からずっと好きな人がいます。
濱田英明さんという撮影業をされている方です。

きっかけは多分、Instagramでした。
好きになるスピードがあまりに早くて、何がきっかけだったかよく覚えていません。
でも、はっきりと覚えているのは、初めて手にした濱田さんの写真集「ハルとミナ」の最後のページをめくる時には涙が出ていたこと、その時なぜか世界がスローモーションみたいにゆっくりと永く感じたこと。
こうやって書くと不思議体験だけど、濱田さんが撮影した作品を見たことのある方ならわかる気持ちかも知れません。
共感なのか憧れなのか、理由はわからないけど涙が出る。
今でもふとした時に「ハルとミナ」のことを思うだけでじんわり嬉しいというか、幸せな気持ちになります。
泣くと頭や胸のあたりがじーんってしませんか?それになります。

その濱田さんが神戸で展示を開いていると知り、気づけば新幹線の予約を取っていたんです。
ここ数年で心がふさいでしまって、人と話すのも緊張するし、友達にだって1年以上も会えていないのに、この時は不思議と思い切れたんです。

カメラを持って、とにかく向かいました。

新幹線って速いですね、すぐに神戸に着きました。(よく寝ました)


「時間の面影」

会場のTHE BOOK ENDは“海岸ビルヂング”という素敵な建物の3階にありました。

沢山の人で賑わっていながらも穏やかな雰囲気で、居心地の良い空間でした。

作品に近づきすぎたりしなければ撮影OKとのことで、ほとんどの方が写真を撮っていたのですが、自然だけど丁寧に、それぞれ自分の視点で今この時間を形に残そうとしているその光景に感動してちょっと泣きそうになりました。

同じフロアの別の部屋が小さな映画館になっていて、映像作品も観ることができました。
入り口で整理券を配っているので会場に着いたら先に受け取っておくと良いと思います。
(とても人気で、必ずしも行ってすぐの回を観られるとは限りません)

衝撃的なことや何かが起こるわけでもない、普遍的な瞬間の連なり。
だけど確かに時間は経っていて、全てが変わっていく。
濱田さん曰く「猫」の視点で撮ったその映像を、「今ここにいる人たちと一緒に観た」という経験の意味と効果を、あの日から毎日じわじわと感じています。
今ここに生きる私の中に、幼い自分も10代の自分も20代の自分もいて、これからも一緒に変わっていける、それがずっと続くんだと思えるというか。
濱田さんにはいつも元気をもらっているのですが、この展示ではそっと勇気づけられたような気持ちです。

作品を観ている途中でも様々なことを考えたのですが、詳しい内容は忘れてしまいました。
懐かしいような未来のような、一瞬のような永遠のような、自分の中にあったようななかったような。
会いたいひと、夜空に流れる星、亡くなった祖父の好きな食べ物、お豆腐屋さんのラッパ。
作品を「見て」感じるのは今「見えない」もので、会場で流れる音楽を「聴いて」感じるものも本来そこでは「聴こえない」ものでした。

観終えた後、展示のタイトル「時間の面影」から「『時間』や『面影』とは何か?」についてなどのお話を濱田さんご本人がしてくださったのですが、私もこんなふうに言葉に(形に)できるようになりたい、と強く感じました。
そんな理由もあって、今こうして書いているのかも知れません。
拙い文章をここまで読んでくださってありがとうございます。

つまり何が言いたいのかと言うと

「時間の面影」は11/4まで開催しています。
(今のところ巡回の予定はないそうです)

体調や仕事の都合などいろいろなタイミングが許すなら、ぜひ神戸まで足を運んでみてください。きっと素敵な時間を過ごせるはずです。

そういえば、会場に入ってすぐのところに、来場者のメッセージブック?が置いてありました。
日本全国世界各国からここへ来た人たちの愛のこもった言葉で溢れていて、その本はもうすぐいっぱいになりそうでした。
私も書いたのですが、もっと書きたいことがあったので改めてここにも書きます。

濱田さん、素敵な展示をありがとうございます。
濱田さんのおかげで、私の世界はひろがりました。
この10年間で、好きな人に好きなもの、好きな場所が数え切れないほどに増えて、いろんな気持ちを知り味わうことができました。
これからも応援しています。大好きです!

濱田さんに憧れて買ったPENTAX6x7で


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