"グラデーションタイム"のすすめ。
先日、ふと思い立って、仕事を15時に切り上げてみた。
オフィスを出て、向かったのはお家…ではなく、公園。あてもなくふらふらと散歩してから、家に帰った。(保育園のお迎えは旦那に任せた)
なんでもないことなんだけど、これが非常〜〜〜〜〜に自分にとって居心地が良くて、どうしてなのか考えてみた。
失われたグラデーションタイム
子育てが始まる前は、オフィスと自宅がオンとオフの切り替えのスイッチになっていた。
他にも、打ち合わせ先までの移動時間、食事会の帰り道、始業前の朝時間などなど
意識もしないところに、たくさんの「グラデーションタイム」があった。
会う相手が変われば、出せる自分も変わる。
退勤後のデートがあればメイクを直して気分を上げるし、契約のかかった打ち合わせに向かう途中には、「大丈夫、きっとうまくいく」と心の中で唱えたりする。
グラデーションタイムとは、予定と予定の間にある、自分のモードを切り替えるための"助走"のようなものだ。
でも今は、仕事を終え"経営者モード"を切り上げても、間髪入れずに"母親モード"へとスイッチングする日々。
駆け足で保育園に向かい娘をピックアップし、離乳食をつくり食べさせ、お風呂に入れ、遊び、寝かしつけ…という怒涛の夜を過ごし、気づけば寝る時間が迫っている。
もはや切り替えるための時間なんてない…(よね!?ワーママのみなさん!!)
出産により暮らしが変わったことに加え、コロナ禍で生活のコンパクト化が余儀なくされ、自分の生活の中にどんどん、余白としてのグラデーションが失われてしまったのだと思う。
自分の心にアクセスする時間を持つ
公園での散歩は、"経営者"を終えて、"母親"としての役割に移る前に、あらゆる役割からも解放されて、ただただ、生の自分でいられる時間だった。
経営者から母親に切り替わるまでの、夕暮れ時のグラデーションタイム。
公園をもくもくと歩きながら得たものは、忙しい中でなかなかアクセスできなかった自分の本音に耳を傾ける機会だった。
ほんの少しの時間だったが、結果、ものすごいリフレッシュになった。帰り道、よくわからないけれど、もっと自分を大切にしようという気持ちになった。
旦那と娘が帰宅後、いつもよりも余裕を持って、感謝やしあわせを感じながら、家族の時間を過ごせたことは言うまでもない。
ドラマはグラデーションタイムに生まれる
リモートワークや、人との距離感を保った生活様式の中で、私たちの日常にどんどん、グラデーションタイムが失われつつある。
時短、効率、合理化ばかりを追い求めがちな私たちは、たとえば通勤通学のストレスから解放されたことに、初めは手放しに喜んだ。
たしかに満員電車は、ストレスフルだった。
でも、私生活と仕事の間のグラデーションのない日々の中で、メンタルを崩したり、暮らしのリズムを失う人も少なくない。
また、ドラマはいつも、グラデーションタイムから生まれてきた気もする。
たまたま一緒になった帰り道に生まれる会話
ふらっと立ち寄ったお店で、お気に入りのものに出会える喜び。
偶然手にした本が自分を救ってくれること。
電車の窓に流れていく景色をぼーっと見たり(そのせいで、よく乗り過ごしてたなぁ…)。
始業前に顔を出したカフェで、未来の旦那に出会ったことり。(実話)
不思議なことに、昔を振り返っても、そういうことほど、鮮明に覚えていたりする。心が構えないからこそリラックスしていて、深く自分の心にアクセスできるのだろうか。
その大切さに気づいたら、今度は意図的につくって、取り戻していくターンだ。
私が私らしくいるために、まずは子育てと仕事の間のグラデーションタイムを、つくるトライをしてみたい。
もちろん忙しい日々も多く、そう簡単に作り出せるものではないかもしれない。
でも、グラデーションタイムは、小さなことでも良いのだ。
たとえば今日私は、娘と家に向かう帰り道、車の多い大通りを行く最短ルートではなく、緑と花がたくさんの緑道を通って遠回りした。
それだけでも、ちょっとしたグラデーションタイムになる。あえて保育園と自宅の間の余白を伸ばして、道端の草花を見ながらゆっくり歩いた。
こんなふうに、大それたことじゃなくても、できることはいろいろある気がしている。
ワーママに限らず、たくさんの役割を背負う人にこそ、グラデーションタイムをすすめたい。
なんでもない自分と対話し、日頃の頑張りを讃えることで、またいろんな役割を持つ自分を頑張れたり、愛せるようになるはずだから。
寝る前、ひっそりした部屋でこのnoteを書くことも、グラデーションタイムのひとつかもなぁ。
そんなことを思いながら、今日はここまで。
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