【活動内容】試飲販売会を行う理由
以前、某ワイン雑誌で、ネットで目にする「ワインセット」について、
特集していました。ワイン業界にいる身としては、
「踏み込んだなぁ・・・大丈夫か???」と思い、購入し熟読。
感想は「そりゃ、そうなるよねぇw」です。
職業「ソムリエ」の働き先は、大きく2種にわかれます。
「飲食業」と「酒販業」です。
「飲食業」は、その通りなんですが、ジャンル×価格帯で細分化されます。
例えば、高級フレンチ、カジュアルイタリアン、ワインバルなどです。
ホテルもそうですし、クラブなど接客メインのお店もあると思います。
「酒販業」は流通のどの部分に関わり、販売先によって細分化されると思います。
大手インポーターの場合、世界各国のワイナリーと契約し卸酒屋、大手マーケット、ネットショップなどに大きいロットで販売します。
卸酒屋の場合、小売店やレストランなどに小さいロットで販売、
小売店になるとお客様へ数本を対面販売と、販売規模も違ってきます。
どちらが良いという話ではなく、希望や適性でどちらを選ぶかです。
どちらも商品知識、テイスティング能力、ペアリングの提案などワインに関わることは全て必要なので、資格を取った後の勉強が大事です。
経験を積んでいくと「この味でこの価格は良いなぁ」とか、逆もあります。
その「逆」を売らなければいけない時が大変なんです。
上司が何らかの理由(大体が癒着かコストコントロール)で仕入れた場合です。
現在の情報量と検索技術の向上、お客様のテイスティングレベルの向上により、
売れ残ってしまうことの方が多く、管理も雑にされがちです。
誰が考えたのでしょうか・・・そんな「ワインセット」が生まれてしまうのです。
ワインに罪はありません。価格設定と飲み頃があっていれば、
美味しい状態でお客様のもとへ届いていたはずのワインたちばかりなんです。
それを「受賞ワインセット」「〇〇ソムリエ厳選セット」「初心者向けセット」と
売り文句をつけて売ってしまっています。もちろん全てではありません。
しかし、お客さまが見極めることができるか?というのが疑問です。
ソムリエに勧められて買ったワインが、口に合わなかった場合、
それは、「ワインがハズレ」ではなく、「ソムリエがハズレ」です。
「ワインがハズレ」というのは、「劣化」であれば返品できます。
(劣化を判別できないソムリエがいるのも事実・・・)
自分の「当たりワイン」と「ハズレワイン」がわかりますか?
体調や気分、季節、食べるものなどで大きく変わります。
それが、分かった上でワインが買えたら、良いですよね?