変身願望
今朝は、雨上がりの公園をマフオ(うちの老犬)を抱っこして、散歩していました。 テニスコートにも人影がなく、空気は澄んでいて、マフオの体温が心地よく、頬ずりしてしまいます。
最近身体の預け方も上手になったマフオさんは、愛おしさマシマシです。
今年は、例年天高くそびえる黄金の銀杏の紅葉もまだみられません。
このまま、冬がきたら、紅葉しないで、枯れてしまうのでしょうか。
そんな初冬の折、唐突ではありますが、私は変身願望に囚われています。
もちろんカフカの『変身』のように、巨大な虫になるのは恐ろしい事です。
変身には、恐怖もつきまといます。
でも今の記憶を全部無くして、全くの別人になるとしたらどうでしょう。
それを転生というのでしょうか。
昨日から、なんとか別人として、生きる方法はないのか、考えあぐねている私です。 なにかから逃げたいのではなく、純粋な好奇心からの、発動なので、ご心配なく・・・。
ここからは、そんな私の妄想です。
2年前に私は人違いで、殺されたようです。
そして、今そんな行きがかり上あっけなく亡くなった方たちと共にここにいます。 意外といるんですよそういう人・・・。
「33番の方!」あっ呼ばれました。
「いってきます」 「33番です」 「あなたはここに来て今日で2年になります。 先日の検査結果をみせて頂きましたが、メンタル良好で、身体の細胞もすっかり、初期化しています。 そろそろ卒業しましょうか?」
「えっ! 卒業してどこへ?」
「パラレルの違うところに、配属になります。 中途配属ですから、産まれるところからではなくて、人生の途中からを請負ます」
「どういうことですか?」 「意識不明の人などの、魂と入れ替わります。あなたの過去はこちらでお預かりしますので、今までの記憶はなくなります」 「ここにずーっといてもいいなら、行きたくないです」
「それはできません。 あなたにはまだ、やり残した使命があるようですから」 「それはなんですか?」
「それは、私の口からは言えません。 あなた自身が気づかないといけない事です」 「空きのあるところに入るので、年齢とかのご希望も、ちょっと伺えません」
「わかりました。 じゃあ男で、出来たらイケメンでお願いします」
「わかりました。 できる範囲で、ご要望にそうようにさせていただきます」
「明日目覚めたら、あなたは記憶ごと書き換えられていますから。 幸運をお祈ります。 いってらっしゃいませ」
「いってきます!」
翌日目覚めた僕は、2023年にいた。
闇医者なのか、暗い地下室みたいなベットで、目を覚ます。
身体は痛くて思うように動かない。
「頭、翔が目を覚ましました!」
「おう!さすが翔だ」 状況はよく解らないが、何となくその筋かなと、思う。 そして、僕の前世の記憶は全部消えてはいなかった。
僕のやり残したことは、何なんだろう。
女だった記憶だけが、かすかに残っている。
妄想し過ぎでしょうか? つづくかも
ナカムラ・エム