余談です。
先日、3話でマガジンにまとめたrebornですが、初めてモデルらしいモデルもなく創作で、書きはじめました。
どういう展開にするのか、途方に暮れていましたが、翔の仕事が設定できてからは、妄想は広がっていきました。
当初は、魂が別人になっても気付かない恋人を書こうと思っていました。
昨今、ルッキズムの観点から、人を見た目で判断しないことは善とされています。 そうありたいものですが、なかなかそうはいきません。
だから、ちょっとニュアンスは違いますが、魂の変化に気づかない恋人をシニカルに書こうと、思ったのです。
でも、書き進むうちに私のBL脳が作動して、そんな意地悪は、しないでおこうと思うに至りました。
なので、私は最後に息を潜めました。
なんだか、一人でだんだん楽しくなってしまって、バーのこと、カクテルの種類、カクテル言葉、ジャズ(1960年頃の)とか調べだしました。
直接的には、あんまり役に立っていないのですが、調べていると、その世界観に入ることは、できました。
実際には、洗練された人達の察しのよさというか、全てを語らない、クールな感覚と言う所は意識しました。
ショートストーリーのなかで、世界観が伝わったらいいなと、思いました。
たとえば、ブルームーンというカクテルはジンと、バイオレットリキュールと、レモンジュースでつくる紫がかった美しいカクテルです。
カクテル言葉は、「叶わぬ恋」「奇跡の予感」です。
音楽はジャズ、Bill EVans とか Glenn Miller とかです。
Chet Baker の My Funny Valentine はスローバラードの中でも有名です。
それから、翔が久々付けたウエストコートは、バーテンダーのベストのことです。
そして、久しぶりに、銀座から新橋まで、歩いてみました。
銀座もはずれの方になると、画廊とかが、立ち並んでいます。
少し昭和レトロな街並みは、都会の喧騒とは一線を画す感じで、ホッとします。
銀座からのギャップがエモいです。
古い簡素なホテルもちらほらあって、いろいろと妄想しながらの街歩きも楽しいものでした。
写メ撮ってくればよかったです。
普段から、目に焼き付けることを心掛けているので、肝心なところで、抜けています。
付き合ってくれた友人と、お茶をしながらの談義も盛り上がりました。
つたない作品ですが、『reborn』読んでいただいて、あまり厳しすぎないご指摘とか頂けたら嬉しいです。
ナカムラ・エム