【短編小説】籠の外へ

大きなお屋敷の鳥かごの中、小さな天使が住んでいました。
天使の飼い主はとてもひどい方で、毎日天使を口汚く罵っていました。
そこはまるで地獄のような場所でした。
天使は毎日のように、外に出られますようにと祈っていました。

ある日、鳥かごとすぐ近くの窓が開けっ放しにされていました。
天使はすぐに逃げ出しました。
お屋敷の外はとても暖かくて、穏やかで、自由な場所でした。
自由になった天使は外でたくさんの人と出会い、人々の本当の暖かさを知りました。
そして天使はその人々のために働くようになりました。
天使にとって、それは生きがいでした。


とある養鶏場のかごの中、鶏が飼われていました。
処刑前夜のある鶏は、とても幸せな夢を見ていました。
人々に愛され、一緒に暮らしていく、とても幸せな夢を見ていました。
この閉鎖された空間から逃げる夢を見ていました。
夢から覚めると、いつものかごの中でした。
小さな天使は天使ではなく、ただの鶏でした。
処刑前夜の鶏でした。
そしてその鶏は、出荷されてしまいました。

結局、その小さな天使は、鶏は、一生で一度も自由になることはありませんでした。

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