【短編小説】ただ愛されたかった

“私の両親は物心ついた時から仲が悪かった。
私のお姉ちゃんは「お前のせいだ」と言わんばかりに私を嫌っていた。
お母さんも私を産んだことを後悔していたみたい。
私は母の不倫の末にできた娘だって。
本当のお父さんは別の人なんだって。

学校は充実していた。
毎日たくさんの友達と遊んで、一緒に帰ったりした。
たまに友達の家に家族に内緒で遊びに行ったりした。
遊びに行くたび、友達の家が羨ましかった。
みんな仲良しで、お父さんにもお母さんにも愛されてて。
私も家族からの愛が欲しかった。

ある日、オカルト好きの一番仲のいい友達がとあることを教えてくれたの。
「天使様の噂」っていう、なんでも叶えてくれる奇跡みたいな。
私はその友達から詳しいやり方を教えてもらって、実際にやってみたんだ。
そしたら、とてもきれいな背の高い人が現れたの。
本当に天使様っているんだなって思ったんだ。
天使様も私みたいな小さな子は初めてだったみたい。すごく驚いてた。
「本当にいいの?後悔しても、僕知らないよ。」って言っていたの。
でも家族から愛されるなら後悔しないと思っていたの。

でもそれは間違っていた。

確かに愛されたんだ。愛されたんだよ。家族みんなに。
でも、天使様を呼ぶ儀式をした次の日から、いじめが始まった。
何でこんなことになったのかわからない。
いじめの主犯格は教えてくれた一番仲の良かったあの子だった。
私は学校に行けなくなって、不登校になった。
幸い家族みんな優しかったから、私に優しくなったから、家は居心地が良かった。

そして現在、私は中学を卒業し、高校に行かずに生主として活動している。
もっとたくさんの人から愛されたい。
私はあの日以来狂ってしまったのかもしれない。
それでもたくさんの愛がほしい。
家族愛だけじゃ足りない。
もっと、もっと愛を、ちょうだい?
私にだけに。“

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