TSUNAGUの商品づくり~さぼうくんと歩んだ私たちの物語~
第一章:さぼうくん誕生物語
TSUNAGUに来店されるお客様なら誰もが知っている「さぼうくん」。今では私たちの大切な仲間として愛されていますが、その誕生には思いがけないストーリーがありました。
全ては、ツナグ茶房のオープンに向けたロゴデザインの打ち合わせから始まります。スタッフとのブレインストーミングの中で、ふと投げかけられた「黒くまがいいね」という何気ない一言。この瞬間が、今のさぼうくんを生み出すきっかけとなったのです。
イラストレーターの大原そうさんとの出会いを経て、愛らしい黒くまのロゴが誕生。当初は店舗のロゴマークとして静かに佇んでいた黒くまが、大きく動き出したのは桃のパフェの企画がきっかけでした。
「桃太郎」の"太郎"と「ツナグ茶房」の"茶房"。この言葉の響きの類似性から生まれた「さぼうくん」という名前。記念すべき最初の商品「桃から産まれた桃さぼう」の誕生により、さぼうくんは単なるロゴから、TSUNAGUの"顔"として歩み始めることになったのです。
第二章:商品開発の進化と継承
TSUNAGUの商品開発は、創業以来、中川専務を中心に進められてきました。「利用者ができること」を常に念頭に置き、デザインや製法にこだわり、一つ一つの商品を丁寧に作り上げてきた日々。
しかし、その歩みが大きな転機を迎えたのは、昨年のことでした。
突然の体調不良による専務の休職。それまで当たり前のように専務に依存していた商品開発に、大きな変化が訪れます。当時から毎月のスイーツのデザイン、たまにしていたクッキー缶のデザインも専務が担ってきていたから。この危機的状況に直面したスタッフたちから、力強い言葉が生まれました。
「私たちも考えます」
この決意が、TSUNAGUの新たな章を開くことになりました。
一年半という時間をかけて、スタッフたちは着実に力をつけていきました。専務不在という厳しい状況の中で、自分たちで考え、作り、改善を重ねる。その経験が、一人一人の確かな成長につながっていったのです。
そして今、専務の復帰により、より良いバランスが生まれています。bakeLabのクッキー缶はスタッフが中心となって企画し、パフェは専務が担当する。それぞれの得意分野を活かしながら、商品開発の幅を広げています。
しかし、創業以来守り続けてきた大切な理念は、今も変わることなく受け継がれています。
「製作の中心は常に利用者である」
この揺るぎない信念があるからこそ、私たちの商品には特別な価値が生まれる。それを、スタッフ一人一人がしっかりと理解し、日々の商品開発に活かしているのです。
(次回は、さぼうくんを通じてできた商品開発や失敗、チーム崩壊しかけた話、それで深まった絆や、新しい商品展開についてお届けできれと思います)