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【5000円統率者】統率者を始めよう!

MTGは高いイメージがある

何かXくんでそんな話題が出てた。
プレイしてるユーザー目線で言うならば、正確には少しでも環境で使えるカードは大体値段が付くから使いたいカード1枚1枚が少し値が張るものになる。
これは、MTGにフォーマット(使えるカードが違う環境)が複数あるため、ある環境では使えないが、別の環境では活用が出来るカードが多いためカードの価値が下がりにくいことも意味している。そのため、カードの単価が高くなる分参入障壁は高くなるが、カードの資産を高めるという点では良いことだと思っている。

さて、余談はさておき本題。そんなお高いイメージのあるMTGには、なんと100枚で一つのデッキを使って遊ぶフォーマットが存在する。それが『統率者戦』である。
このフォーマット、詳しい説明は省くがとにかくカードプールが広く、使えるカードが多い。
そして、フォーマットの特性として、特定のカードを除き同じカードは1枚しか入れることが出来ない仕様になっている。
これらが合わさることにより何が起きるかというと、MTGの長い歴史の中に存在する、安いがそこそこ使えるカードをたくさん詰め込めるということになるのだ!

というわけで、今回は初心者が始めてみようかなと思えるように5000円でデッキを組んでみようと思う。
なお、先に言っておくが公式も構築済みデッキを出しており、これも5000円で購入することが出来る。こちらを買い求めるのもかなりおススメである。
というより、あとから高くなるカードが入っていることも多いため、もし使ってみたい挙動をするデッキを見つけたらそちらを買うことをおススメする。
というわけでデッキがこちらだ。

デッキ詳細

詳しく内訳を見たい方は見ていただいて構わないが、この後デッキの簡単な説明とピックアップカードについて解説するため、この項目は飛ばしていただいても構わない。

なお、デッキレベルはおよそ3~5(晴れる屋さんだとParty~Battle)くらいである。

統率者 1
モンスター見聞家、ヴォーロ 50円

クリーチャー 51

1マナ
神出鬼没のカワウソ 150円
腹黒茸 50円

2マナ
宮殿の使い魔 20円
恐竜の卵 80円
宝革スリヴァー 50円
イリーシアの女像樹 20円
ベラドンナのドライアド 20円
草茂る胸壁 80円
ヤドクガエル 20円
裕福な亭主 100円
桜族の長老 100円
耕作する高原導き 50円
ひきつる人形 100円
極楽の羽ばたき飛行機械 20円

3マナ
冷淡なセルキー 50円
虚偽への恐怖 50円
大クラゲ 20円
虚空を継ぐもの 50円
巡歴の学者、ヴォーロ 50円
激情の共感者 20円
グリーン・スライム 80円
ハートウッドの語り部 100円
青銅のセイウチ 20円
つややかな雄鹿 20円
回路の修理屋 30円
金線の使い魔 20円
猿人の似姿 50円

4マナ
過充電縫合体 50円
思考スポンジ 50円
サルーフの群友 30円
霊動カカシ 30円
駆け回る偵察兵 30円
真面目な身代わり 50円
ムーンシェイのピクシー 30円

5マナ
眩惑する水底種 50円
熟考漂い 80円
うねり嵐のクラーケン 80円
大食の巨大鮫 50円
戦闘マンモス 50円
ブレードグリフの試作品 50円
シー・ハグ 20円

6マナ
有角の湖鯨 150円

7マナ
巨大な空亀 80円
鏡殻のカニ 30円
群れの招集者 200円
大樹揺らしのキマイラ 50円
トリンカリの狩人 80円
サファイア・ドラゴン 50円
豆の木の巨人 80円

8マナ
終末の祟りの先陣 80円

10マナ
動じない大ワーム 200円

インスタント 0

ソーサリー 0

エンチャント 1
料理長 20円

アーティファクト 5
太陽の指輪 円
秘儀の印鑑 円
デカンター・オヴ・エンドレス・ウォーター
ケフネトの碑
ロナスの碑

プレインズウォーカー 1
ビヒモスを招く者、キオーラ

土地 41
統率の塔 30円
内陸の湾港
溢れ出た区画
神秘の神殿
聖遺の塔
森×18 
島×18

100枚
合計 4900円※

※価格は以下の条件を付けたうえで、晴れる屋の最安値を記載している。
 ・言語は問わない
 ・状態は問わない
 ・通常/Foilを区別しない
 ・安いカードを優先

デッキ解説

解説を始める前に、私はこのデッキを以下の観点から作成した。

  1. 戦い方が初心者でもわかりやすいシンプルなデッキか?

  2. デッキの拡張性が高いか?

  3. 他の人と話題が弾むようなデッキか?

  4. あまりカード資産を増やさずに別の遊び方が出来るか?

上記を踏まえて、まずこのデッキの統率者『モンスター見聞家、ヴォーロ』の効果を見てもらいたい。


ずっとコイツは人間・バードだと思ってた

あなたが、あなたがコントロールしているクリーチャーやあなたの墓地にあるクリーチャー・カードと共通のクリーチャー・タイプを持たないクリーチャー・呪文を唱えるたび、その呪文をコピーする。(クリーチャー・呪文のコピーはトークンになる。)

つまりどういうことかというと、自分の墓地にも場にも同じ種族を持たないクリーチャーを唱えたらコピーを生み出すという能力である。
というわけで、このデッキに入っているクリーチャーは1枚を除き、『全て種族がばらけたカード』で構成されている。ちなみにこのためだけにクリーチャータイプを管理するスプレッドシートを作成した。めちゃくちゃ疲れた……。

というわけで、このデッキは統率者を出した後唱えるクリーチャー呪文は1枚を除き全てコピーされて出てくる。すごいね!
上記で挙げたデッキ作成の観点『1.戦い方が初心者でもわかりやすいシンプルなデッキか?』という考え方の下、とてもシンプルに、『統率者を出してデカいクリーチャーを連発して殴ってれば勝つ!』という内容になっている。うーん実にシンプル。
そして、『2.デッキの拡張性が高いか?』『3.他の人と話題が弾むようなデッキか?』については、新しいクリーチャータイプや今のクリーチャーとの入れ替えがものすごく悩ましいものになっている。
例えば『エルフ』と聞いてMTGを長らくやっているプレイヤーならまず『ラノワールのエルフ』が浮かぶと思う。しかしこのデッキには彼が入っていない。

値段が高かったわけではなく、彼は『エルフ』と『ドルイド』の種族を持っているため、他の『ドルイド』クリーチャー(このデッキだと『耕作する高原導き』)と被ってしまうのだ。
この『ドルイド』の他、『人間』と『ウィザード』は統率者と被ってしまうし、『ならず者』『戦士』『シャーマン』などの役職系はほんとについでとばかりにいろいろなカードについていて、デッキを構築するとき非常に困った。
もちろん、100枚すべてを使用するわけではないため種族が被ってしまってもいいのだが、種族が被れば被るほどコピーが生成される確率は落ちてしまう。
そのため「こんなカード入れるなら同じ種族でもっといいカードあるのでは?」と他の人からの意見も聞き取れる。
また、相談を受けたプレイヤーもこの観点からカードを見ている人はなかなかいないだろう。新しい視点からカードを見ることが出来る話題になるのである。というより、今回は5000円縛りがあったため採用できなかったもっといいカードや種族のカードは本当に沢山ある。初心者が遊び始めて、他のプレイヤーからそういった情報を集められる手助けになるとよいと感じている。

さて、最後に『4.あまりカード資産を増やさずに別の遊び方が出来るか?』についてだが、これはさきほどから何回か上げていた、このデッキ唯一のコピーが出来ないカードが絡んでくる。
それが、『巡歴の学者、ヴォーロ』である。


よく見たらめっちゃデカい手のひらの上にいる

こいつはこのデッキのサブ統率者であり、下記のような効果を持っている。

巡歴の学者、ヴォーロが戦場に出たとき、呪禁と「あなたがクリーチャー・呪文を唱えるたび、それのクリーチャー・タイプのうちこのアーティファクトに記録されていない1つを記録する。」を持ち「ヴォーロの日誌」という名前である無色の伝説のアーティファクト・トークン1つを生成する。
{2},{Tap}:あなたがコントロールしていて「ヴォーロの日誌」という名前であるパーマネント1つを対象とする。それに記されているクリーチャー・タイプ1つにつき1枚のカードを引く。
背景選択

要約すると、
 ・出た時に「ヴォーロの日誌」という伝説のアーティファクトを生成。これは呪禁
 ・その後クリーチャーを唱えるたびに、そのクリーチャータイプのうち一つを記録していく
 ・2マナと『巡歴の学者、ヴォーロ』をタップすることで、この記録されたクリーチャータイプ一つにつき1枚ドロー

という効果である。

これと、背景(統率者に『背景選択』の能力があると、『背景』というタイプのエンチャントと組み合わせて統率者に出来る)の『料理人』を組み合わせることで、クリーチャーをたくさん唱えて沢山カードを引くデッキに変わるのである。
また、背景というカードを使用しているため、今回は青緑のデッキになっているが、青を起点に、青白・青赤・青黒、もちろん青単のデッキとして考え直すことも出来る。

結論をまとめると以下である。

  1. 戦い方が初心者でもわかりやすいシンプルなデッキか?

    1. 『モンスター見聞家、ヴォーロ』でも『巡歴の学者、ヴォーロ』でも統率者を出してクリーチャーを連続で唱えるというコンセプトになっている

    2. ただし、前者は一つの呪文ごとに増えていくクリーチャー数で押していき、後者は呪文を唱えながら手札を補充していく戦略になっている。

  2. デッキの拡張性が高いか?

    1. 新しいクリーチャータイプが出る度に候補になり得る

    2. 現在は単純に土地を伸ばしつつクリーチャーをたくさん唱えるというシンプルな構成になっているため、自分が気にいったカードを元にどう展開させていくかになっている

  3. 他の人と話題が弾むようなデッキか?

    1. クリーチャータイプが被るとダメという、逆部族デッキを考えることになる新しい思考実験を提案できる

    2. マイナーな種族のクリーチャータイプから強いカードを探すことになる他、逆にメジャーな種族は複数採用が難しいという制約で話が出来る

  4. あまりカード資産を増やさずに別の遊び方が出来るか?

    1. このデッキだけでも2種類の統率者で遊ぶことが出来る

    2. また、『巡歴の学者、ヴォーロ』は背景カードを切り替えるだけでもまた違った遊び方が出来る

デッキ特筆カード紹介

では次にこのデッキの特筆カードをいくつかピックアップしていこう

統率者汎用カード枠

太陽の指輪
秘儀の印鑑
統率の塔

統率者の基本となるカードたち。
今後、このデッキを解体して新しいデッキを組みたいとなっても、必ず使用するカードのため外せなかった。
特に太陽の指輪はこのデッキで最高金額の200円カードの一枚である。

1枚で2回仕事します、出来事カード枠

神出鬼没のカワウソ
ムーンシェイのピクシー
シー・ハグ
有角の湖鯨
豆の木の巨人
サファイア・ドラゴン
トリンカリの狩人

出来事というカードの種類であり、インスタントやソーサリーとして唱えた後、クリーチャーとして唱え直すことが出来る。
このデッキはクリーチャーを多くしたい都合上インスタント・ソーサリーが一枚も入っていないが、これらのカードにより疑似的にインスタントとソーサリーがデッキに入っていることになっている。
やれることも土地加速・打消し・バウンス(手札に戻す)・疑似的な墓地回収・クリーチャー強化と色々出来る。

叩きつけろ、必殺カード枠

群れの招集者
大樹揺らしのキマイラ
終末の祟りの先陣
動じない大ワーム

とにかくこのデッキの終着点となるカードたち。
特に『群れの招集者』と『動じない大ワーム』はこのデッキの最高金額カード200円のカードたちである。
1体だけでもきついこのクリーチャーたちが複数出てくることで相手のライフをどんどん削っていこうというのがこのデッキのメインとなる。
このデッキと特に相性がいいのが『動じない大ワーム』で、破壊不能という除去耐性もあれば、召集という能力があるため場に沢山並んだクリーチャーをタップすることで早期の展開が望める。
もちろん、素だしが出来るように土地加速が出来るクリーチャーやマナクリも多数備えている。

お前は誰なんだ枠

青銅のセイウチ
思考スポンジ
シー・ハグ

それぞれクリーチャータイプが『セイウチ』『スポンジ』『ハッグ』である。それぞれそのクリーチャータイプは1種類、2種類、10種類しかいない。なんなんだ君たち。
ただ、それぞれマナクリ、ドロー、出来事と役割が持てており、そこまで悪いカードではない。何より安いしね!

終わりに

みんな!MTG始めよう!
というより、統率者始めよう!

真面目に話すと、MTGは確かに他のカードゲームと比べて強いカードの価格がとても高くなる傾向がある。
かつてとある環境には、そのデッキを構成するカードがあまりにも高額なため、デッキ名を『マネーパイル(札束)』と呼ばれているデッキすらあった。
しかしながら、それがすべてのカードが高額であることを意味するかというと話は別である。
今回のように5000円で100枚のデッキを組むことも出来るし、何なら安くて環境に出ているデッキもいる。
結局、どのカードゲームでも共通の認識である、「自分のやりたいことを突き詰めていくとお金がかかる」に落ち着くのである。
もし、これを読んでいるあなたが統率者以外のMTGに触れるところから始めてみたいのであれば、MTGAというデジタルのゲームをおススメする。
初期投資も必要ないし、最初にチュートリアルも用意されている。
ここである程度ルールを学んだら、改めて晴れる屋さんなどで行われているティーチングイベントに参加しよう。
サンプルのデッキももらえる他、専門店のスタッフの人に詳しくルールを聞くことも出来るぞ。
もし、少しでも興味があったら是非試してみてほしい!

新しいプレインズウォーカー(MTGプレイヤー)のあなたと遊べることをここ待ちにしています!

余談

主に値段の都合で入らなかったけどヴォーロと相性のいいカードたち

双晶の杖

呪文が一つコピーされるともう一回コピーされるアーティファクト
ヴォーロが唱えたクリーチャーがもう一体増える。

頂点壊滅獣

ヴォーロは唱える度に誘発するため、続唱でももちろん誘発する。
今回は似たようなキーワード能力として『恐竜の卵』が発見というキーワード能力を持っている。

ロード・オヴ・チェンジ

出た時に3ドローできる。しかもとても珍しい青いデーモン。

フェアリーの大軍・流浪のドレイク・パリンクロン・巨大鯨

おなじみフリーススペルクリーチャーズ。
唱えるとコピーが出てきて、それのアンタップ効果も乗るためとんでもないマナ加速が出来る。
……出来るのだが、挙動が初心者に向かないかなと考えて今回は不採用。
ドレイクとイリュージョンの2種は今回のクリーチャータイプの中にはいないため、無理なく採用が可能。


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