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シモキタエキマエシネマK2にて『偶然と想像』見てきた

下北沢の南西口改札出たところに「シモキタエキマエシネマK2」っていう洒落たミニシアターができたのです。
で、こけら落とし(って言うのか?)上映の『偶然と想像』(脚本・監督:濱口竜介)見てきました。

3つの短編のオムニバス形式の作品です。
1話目「魔法」は、親友でもあるモデルとヘアメイク、そして一人の男性をめぐる物語。
2話目「扉は開けたままで」は、堅物の大学教授に単位をもらえず留年してしまった男子学生が復讐を目論む物語。
3話目「もう一度」は、高校時代に親友だった二人の女性が20年ぶりに地元で再会する物語。

自分にも近しいシチュエーションだと思って油断して入り込んでみたら、一言一句無駄なく鋭い言葉のやりとりにじわじわと絡め取られ、ふと気付いたらとんでもない展開に巻き込まれてしまう。
そんな感じの3つの物語でした。

そして見終わった帰り道、なぜだか自分自身の振り返りモードに入ってしまった・・・。
思い出すことを避けてきたイタい過去のごまかしのベールをはぎ取り、剥き出しにしてみたら、そこに何が見えるのかを知りたい、そんな気分になってしまったのです。
そこにだって、この映画レベルの繊細に狂気をはらんだ「物語」があるような気がしたんですよね。それはおそらく誰にでもあるはず。
もっと鋭敏に神経を研ぎ澄ませて日常生活と向き合いたい、そんなふうにも思わせてくれる映画でした。

等身大で親しみやすくて、でも混沌として何が出てくるかわかんない感じ。
なるほど、ちょっとシモキタっぽい。このミニシアターの第一作として選ばれたのもわかる気がしました。

月並みな表現ですが、思った以上に面白かった、です。
そして、映画館自体がシンプルに心地良い空間でした。
フラッと出かけてこんなかんじの作品にいつも出会えるのであれば、それは楽しいかも。

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中本千晶
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