nakamu

詩とも歌ともいえんものをここに置かせてもらいます。少し暗い場所から明るいほうへ手を伸ばしているのが居心地がいい、青二才です。All photo by Tashimai / Icon illustration by Fuji twitter:@89_fuji

nakamu

詩とも歌ともいえんものをここに置かせてもらいます。少し暗い場所から明るいほうへ手を伸ばしているのが居心地がいい、青二才です。All photo by Tashimai / Icon illustration by Fuji twitter:@89_fuji

最近の記事

晴れている

食卓から真向かいにある この部屋で1番大きな窓から 外を眺めている 昼間である 空は晴れている 今日は1日雨予報だったはずで 日課である散歩も その雨を言い訳に見送るはずだった まるで裏切られたかのようだ しかし意固地に私は部屋に残り 今更無理してもな、と誰に言うでもなく呟き つけたままのテレビ画面に向き直る 空は晴れている 誰かに叱られたような気持ちで 唇をむっとさせて 私は 横目で窓を眺めている

    • + ー

      何かを失えば 何かを得る 何かを得たら 何かを失う とは限らない。 何も失わずに たくさん得ている人もいて 何も得ずに 失ってばかりの人もいる 増えも減りもしない 毎日の中で これだけは残しておこう、と 密かに勘定を立てながら 出不精を決め込んでいる私がいる

      • 日曜日

        どうせ根暗なおれだから 窓の外 上がり調子の風が吹いて あちらこちらと気が踊る これが日曜日 浮かれているのはおれ1人 理不尽なクラクションも きっとおれに向けての物だから 通り過ぎた君よ 悲しい顔はしなくてもいい 今日は日曜日 ただの日曜日だ

        • 昨日の自分が声をかけるなら 今日泣いているあなたに何て言うだろう 何も知らないくせにと 置き時計をぶつけた壁には 悲しさの他に もう一つ 優しい思い出が写って泣いている

          KASA SASUNO MENDOI

          傘さすのめんどい そんなに降ってない 大して困らない 多少濡れていても 待つ人などいない 見る人などいない 1人はきまま 自由あるがまま 横着ついでに 鼻歌交じりの帰り道 傘さすのめんどい あの長い棒をひたすら 大事に持つのしんどい 右ひじ お行儀よくたたんでおくのしんどい 前から来た人と 傘同士がぶつかって あっすいませんすいませんってなって 相手は一言もなく ぺこりともしないとき悲しい 傘さすのめんどい ひたすら傘さすのめんどい 屋根の下では 折りたたむことになるし

          KASA SASUNO MENDOI

          それも言葉なんだと

          言葉を使うと うるさくて余計が多い けど あなたが見た景色を言葉で 教えてくれないかな わたしも写真はうまく撮れなくて 絵も苦手であるから あなたが耳を塞いだのも言葉なら この 目を閉じても 目の前に広がる景色を生み出した これも言葉なんだと それを知りたいだけなのだよ

          それも言葉なんだと

          ここに今立っているのが自分の意思によるもので誰かの影響など 毛ほども感じない、という君よ 君は9:1の9として 生き方は自分で決められると言って やる気のないわたしは しばらく置いてのち 5:5かな、と言った 5 限りなく 5

          寝つき

          昨日寝たのはAM1:30 ごろごろして 確か AM2:30 眠れないな、とふてくされた途端 気づいたら朝だった 昨日寝たのはPM10:00 健康第一で 夕飯も控えめ AM2:00 ちょっとお腹が空いて 目が覚めた 毎日 毎日 やんごとなき毎日を過ごして AM4:00どうしても眠れない 肩もジンジンして足も冷たい 疲れているのに 頭がまだ外にいる感じで 道に落としたかな 睡眠 水を飲むよ それって目覚ましになっちゃうんだっけ テレビのリモコンを握って天井を見る ああ、

          寝つき

          喫茶店にて

          カウンターのママさんとお手伝いさん 隣のおじさんが軽く天気の話を 煙草を忘れたにいちゃん 手持ちの煙草を 箱ごとあげようとする常連のじいさん 定食はABC おせっかいでやわらかい 全くの他人が親子や友達に見えるもんだ カウンターにはスコッチと焼酎のボトルキープ 腰が痛くてと話すママさんが いつまで続けられるかしらと辛そうに呟く 話をそらそうと口下手な客が 唐突に紅茶の入れ方を訪ねていたが 特別なことはしていないってさ お冷やを飲みきったら戻らねば 良い時間を過ごした

          喫茶店にて

          低空飛行の名の下に

          君はずっと遠くをみて 腕をずっと伸ばす 手のひらは 何かを掴みかけて 宙を切った 生まれたところから 見上げてる空へ 足元が少し浮かんだのに もっと 高く飛べないでいる まだまだと つま先をひきずっている 少し浮いた体で どこへいこうか 何をしようか 話の続きはそこから

          低空飛行の名の下に

          永遠のナイトビート

          歌ってよハニー 陽ののぼらぬ空に 歌ってよハニー 永遠のナイトビートを なん月 なん日 いつだって どんな景色も一つにつないで 響けレコード スピーカーで 歌ってよハニー 永遠のナイトビートを

          永遠のナイトビート

          歩道橋

          よく晴れた休日 駅へ向かう道 例のごとく歩道橋で息が切れて 胸を詰まらせて やっと深く息を吐く 寒かった季節から一気に春が色めき立っている 落ち着かなくて 昔から苦手な時期である 向かいの通りの横断歩道 手をつなぐ姿が3人 おねえちゃん、真ん中にお母さん、小さい妹 妹は白線沿いにスキップしながら お母さんを困らせて怒られている おねえちゃんはそれを見て少しうらやましそうだ こんな日があったはずだなぁ 小さな頃の思い出は 小さな思い出になった 軽く咳払いをして 通り過

          歩道橋

          泥田坊の歌

          遠くの火を思い出す いつぞや 道を照らした光 足元に広がる 黄金色の道を 私は一緒に歩こうと思ったのだ 世間様は皆 その光に似た 小判大判を求めなさり 私は日の暮れたあぜ道で一人 ただ一人 あの火を待っておりました いつしか二度と火は道を照らさず そこには泥が広がるばかり 命も育たぬ 底なし沼とあいなりました 共に沈みたくも哀し 共に輝きたくも虚し 酒の席 笑い声を遠くから聞くばかり 心の限り叫ぶには 恨み言しか出てきません 失った火をもう一度 ただ一度見られるだけで

          泥田坊の歌

          ギター

          ギターは1人暮らしが弾くのに最適な楽器だ ほっぽいても泣かないし 触ったらちょっと温かいし 1人でいることが多いから いつもそばに置いていた 常に相手するわけじゃないから たまに弾くと 錆びた弦が少し 不満気ではある まぁまぁといってなだめ過ごしているが うかうかしていると そのうち こちらが相手にされなくなる日がくるんじゃないだろうか

          ギター

          路上で猫が 倒れていた 真夜中に暗闇をゆく 車に襲われたんだろう 以来この道で 他の猫も見なくなって そりゃぁ 誰だって 怖い場所に居たくはないよな 撫でてくれた人もいただろう ご飯は食べていたのかな いなくなった仲間は家族だろうか 胸がぎゅうと鳴く

          遠くの月

          遠くに見えて居た月を 追いかけるように がむしゃらに走り続けたんだ 同じ道 空を見たり 時には地面に頭を落とした ずっとなぞって過ごした毎日は 間違いじゃなく まぁ美しくもなかったけど 君をまた強くしてくれたでしょ

          遠くの月