【綿町ダイアリー】#537 blessing in disguise
blessing in disguiseとは、
災い転じて福となすということわざのこと。
村上春樹「騎士団長殺し」ではこう表現している。
“偽装した祝福。かたちを変えた祝福。一見不幸そうに見えて実は喜ばしいもの。もちろん世の中にはその逆のものもちゃんとあるはずだ”
僕は失敗と挫折が多い。
それはいつも人生の節目のように襲ってくる。
で、僕はその度にノックアウトするんだけど、
不思議と同時に新しい自分が始まる期待感を持つ。
blessing in disguise
僕が、失敗したことを失敗と捉えないのは、
この「ことわざ」の本質のようなものが
実は僕という人間の根底にあるのかもしれない。
そんな風に思うのである。
最近、僕は仕事上の大きな別離を経験した。
それは始めのうち僕を悩ませるものであったが
しばらくするとそれは有り難い転機になっていた。
もっと言えば、好機になった。
そしてそれらの経験により、
良さそうに見えて悪かったというのが常で、
不幸そうに見えて実は喜ばしいということが
定番の論理のように思えてきたんだ。
失敗してはじめて気づく、とよく言うが、
失敗してみて気づくことって実は結構ある。
それは表裏一体のようなもの。
どちらにも転ぶようなこの不確かな論理を
僕は人生として楽しんでいるのかもしれない。