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【綿町ダイアリー】#26 カメラマンの疑問

連載日記『綿町ダイアリー』✏︎姫路市綿町でブライダルプロデュースとカフェを融合したブライダルカフェを運営しています。ウェディングプランナー&カフェマスターの二刀流の日々を綴ったエッセイです。

2022年8月11日。

綿町カフェの内外装がほぼ仕上がったので、WEB、またSNS掲載用に店の写真と僕が珈琲を淹れてる写真の撮影を親友のカメラマンに依頼した。

僕が起業した昔から、こういう節目の写真は彼に任せている。

彼はやってくるなり大きなテーブルの隅に身をかがめ、広角レンズをつけたキヤノン1Dを構える。

いつもの光景だ。

撮影は彼に任せて僕は僕で昨日届いたばかりの珈琲豆を新しいキャニスターへ入れ替えの作業をしていた。

その時である。

「中道さん...あかんわ...。この店内、一見すると白と茶色でキレイな感じなんやけど、ファインダーのぞくと部屋の中の主題が無いんや」

それは、彼らしい指摘だった。

重苦しい空気の中、2人でしばらく店内を眺めていると、ウィークポイントが見えてきた。

「たぶん、ここやろなぁ・・・」

そこは先日、妻がDIYで作ったテーブルの一角。店の狭さを補い過ぎたあまり、か細いテーブル席になってしまっていたのだ。

「ちょっと考え直すわ。ありがとう!」

悪いところをズバッと言ってくれるのは、親友ならでは。ありがたい存在なのである。

家に帰った僕は妻に今日の経緯を説明し、あのテーブル席のある一角をゼロから考え直す事にした。妻もそのカメラマンの事を信頼しているので話は早い。早速、夫婦2人でソファに座りスマホで商品探しを始めた。

このイスがいいんじゃない?
このテーブル良くない?

夫婦2人の好みは微妙に違うのだが、元々僕たち夫婦は百貨店のインテリア売場で共に働いていた同僚。(いわゆる職場結婚てやつだ)なので、インテリアに対する考え方の根っこは割と似ている。

ネットでの商品探しは、全く難航する事なく30分ほどでスッと決まった。

北欧スタイルのイームズチェア。そして、天板の形と色付きのモザイクガラスが特徴的な一本脚のアンティークテーブル。

かなりの予算オーバーではあったが、迷う事なくすぐにネット注文をした

カメラマンの疑問のお陰で、綿町カフェの主題が誕生したのである。

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