
【綿町ダイアリー】#43 カフェオープン前日
連載日記『綿町ダイアリー』✏︎姫路市綿町でブライダルプロデュースとカフェを融合したブライダルカフェを運営しています。ウェディングプランナー&カフェマスターの二刀流の日々を綴ったエッセイです。
2022年9月12日。
やる事てんこ盛りのオープン前日。
朝の開店を待って雑貨屋さん巡りからスタートだ。
お目当ては、アルファベットのオブジェ、珈琲豆を入れるガラス製キャニスター、それからグリーンやディスプレイラックなど。
何件か雑貨屋さんをハシゴして、
頭の中でイメージしているものは、ほぼ揃った。
カフェに出勤したのは午後1時。
さぁ泣いても笑ってもオープンまであと半日だ。
まずは、現在飾り棚にディスプレイしているものを全て撤去。そして一番上の棚にCOFFEEのアルファベットオブジェを並べる。
おぉぉ・・
ただそれだけでカフェらしいではないか。
テンションが上がる。
2段目には、珈琲豆の入ったガラス製キャニスターを配置。商売用の珈琲豆もディスプレイ用に大盤振る舞いだ。
その他の棚には、サイフォンの器具やドリッパー、サーバーなど。サーバーは、僕が長年家飲み用で使ってるオールドカリタを。
最高にカッコよくてお気に入りのサーバーだ。
でも、ここに飾ったら家で使えないじゃないか!そんな僕の心の叫びをグッと胸にしまい込み、並べていく。
要所要所にグリーンを置き、あっという間にディスプレイは完成。ブライダル色も僕の世界観も何もない、ただただカフェらしい棚に生まれ変わった。
いいじゃん!
次はメニュー表作り。
プリントアウトしたものをコンビニでB4に拡大コピーしたり、ボードサイズに合わせてカットしたり、細々作業。
ひと通りできたところで、全ての席に座ってみる。どこに座るとどんな景色なのか確かめながら。
すると、何という事か。
ひとつの席から厨房が少し見える事が発覚!保健所の指摘でアクリル板等の設置をした事で見え方が変わっていたのだ。
僕は慌ててホームセンターに走った。
ギリギリでバタバタである。目隠しに代用できそうなノレンを購入。
すぐに店に戻り、ノレンを取り付ける。
何とか目隠し成功だ。
やれやれ・・・
もうすでにあたりは暗くなってきている。
僕は作り慣れていないメニューを含め、2名用の淹れ方などカウンター作業の予行演習をする事にした。
しかし、やっていると試作したい事が次から次へと頭に浮かんでくる。僕の悪いクセだが、脱線しっぱなしなのだ。
後に好評になる中煎り珈琲の淹れ方を根本的に変えたのはこの時である。
最後に、テイクアウト用の紙コップとプラカップに、それぞれホットとアイスを入れてみた。
すると、またまた何という事か!
氷のサイズがプラカップに合っていないではないか!以前はクラッシュ氷を使っていたから問題はなかったが、今使っているのは大ぶりの角氷。
やはり予行演習は必要である。
すぐに作り変えだ。
角氷の数をひとつ減らし、その分珈琲を多く入れ、カップの中のバランスを取る。もちろん氷の数により豆の挽き方、湯量も変わってくる。
何度か試作しながら納得するものが完成した。
なんか、バタバタよれよれである。
(こんな事で大丈夫なのか・・・)
結婚式ならマリッジブルーと言うのだろうが、今の僕はさしずめ、オープンブルー。
弱気の虫と格闘しながら、オープン前日の夜はふけていった。