飲食店経営に携わって1年半。現状と展望。
新卒一年目
私は新卒で新しい店を作り、そこで働くという選択をした。
私と一緒に店をしようと誘ってくれた学生時代のアルバイト先の店長。
彼は出資しているわけでなく、別にオーナーがいた。
そのオーナーは店長と幼馴染で中古車販売や配送事業などの経営をしている社長であった。
オープンを12月とし、それまでの間、その会社で繋ぎとして配送事業を手伝った。
約半年、配送事業に携わったが、体力と根気があれば、誰にでもできる仕事である。しかし、その仕事は、想像を超える過酷さであった。
周りの大学の友達はオフィスで仕事をしているのに比べ、私はなぜ炎天下の中、肉体労働をしているのだろうか。自分に後ろめたさを感じていた。
もちろん仕方ないことで、自分が選んだ道なので、そう思っていた自分に恥ずかしさすら感じるが、とにかく早く店をオープンして、成り上がっていってやるんだ!そんな気持ちを胸の奥に忍ばせていた。
配送事業をしながらも、店の準備は着々と進めていた。オープンの約半年前からは配送事業からも離れ、完全に準備に没頭した。
今思えば、その時の自分は“無敵“であった。どんなマイナスな事象にもポジティブに捉えられていたし、モチベーションの高さが尋常ではなかった。
普通に就職した奴らになんか負けてたまるか。
常にそう考えていた。
オープンの一カ月前からは睡眠時間をかなり削った。
1日に3時間寝れれば良い方だった。もちろん寝れない日もあった。そんな過酷な生活をしていたが、その当時、僕自身は何も“しんどさ“を感じていなかった。当たり前なのかもしれないが、人間が何か特別なものに向かって突き進む時のアドレナリンと、モチベーションの上昇は凄まじい。そんな経験ができた。
無事オープンをすることができた。
2021年12月13日。約一年半経った今も鮮明に覚えている。
店をオープンできた。オープンしてからも様々な問題があったが、その問題にも真っ向から立ち向かうことができた。僕は何より店が大好きだった。そしてこの事業に誘ってくれた2歳上の店長も大好きだった。2人で試練を乗り越えている感じがした。
店長と私の関係
学生時代のアルバイトで出会った店長は僕にないものを持っていてとても魅力のある人だった。一緒に仕事をしている中で、すぐに僕たちは距離を縮めた。店長とバイトリーダーという関係性、初対面ではお互いあまりいい印象ではなかったが、一緒の店で同じ目標に向かっているもの同士。わかり合えるのは難しいことではなかった。
店長とは店以外でも麻雀をしたり、飲みに行ったり。友達のような存在になっていた。恥ずかしい話だが、2歳上の店長に対しアルバイトである私はタメ口で話すようになっていた。もちろんいいことではないが、それくらいの関係性になっていた。
店を始めるにあたっての準備段階も、オープンしてからも2人でなかったらここまで出来ていなかったと断言できる。この関係性は永遠に続くものだと考えていた。
心情の変化
オープンして半年が過ぎた頃から僕の心の隙間に嫌悪感が芽生えていた。
朝、寝坊しがちの店長だが、自分より給料も良く、お客様にはいい部分しか見えていないから、褒めていただく声は店長に対してが多かった。
店の主人である店長が褒められるのは当たり前のことだし、自分もそこに対して嫌な気持ちはなかったが、私の器の小ささと、自己承認欲求の高さから嫌悪感が不満へと変わり態度に出してしまうようになっていた。
だんだん2人の会話は減っていき、業務連絡以外で喋ることもほとんどなくなっていた。自分の態度のせいでこうなっているのに店長に対する不満と寂しい気持ちが同居していた。不思議な感覚であった。
なぜこうなったんだろう。
答えは明確だった。自分の器の小ささと、後輩としてあるべき姿を忘れていたからだ。
上の人を立てられない下の人間は必要とされない。
それが社会だ。
店長は人格者だ。そんな私を見捨てる人ではなかった。ある日の営業中の意見の対立から、それまで口には出さなかった彼への不満を酒に酔っていた勢いに任せて、私は吐いてしまった。
それに対し、店長はごめんと一言。
気まずかった。目の前で大人を目の当たりにしたようだった。あたかもお前はガキで、俺は大人だ。と言われているようだった。
彼にそんな気はなかっただろうが、私はそう感じた。
その出来事は私の中で一つの学びであった。
社会ではうまく立ち回ることが重要である。
自分の思いやり意見、不満を押し殺さないといけない場面があると。
もちろんお客様や仕事上の関係では当たり前だと思っていたが、内側の同胞や、先輩に対してもそういった立ち回りが必要なのである。
後に私たちの店は、社員としてもう1人雇うことになる。
その時にも私は同じようなことを学ぶ。次回その時の心情について書ければと思う。
最後に
昨日の初投稿に現時点でいいねが3ついていてびっくりした。
私の文章が赤の他人に読まれているのか。素直に嬉しなかった。アウトプットとストレス発散のように感じている。
これからも続けようとおもう。
終わり🦋