「酔いどれ詩人」

夜のうちに音もなく細かい
雨が降り
乾いた大地を潤し
草木を芽吹かせるように
言葉が潜かに染みでてきて
詩をつくらせる

偉大な詩人たちとは
比べようもないが
精神だけは負けていないと信じたい

今夜も独り
酒を飲みながら詩を作る

酔っているうちは
わたしも偉大な詩人たちの
仲間入りだ
おおいに語り
できの良し悪しを競いあう

目が醒めると
また独りぼっち
畳の上で寝ていた

寒さに震える体を引きずって
冷たい布団に潜り込む


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