ハーブの香りを最大限に高めるためのこだわり
私たちは天然の香りだけで楽しめるように、商品を作っています。
もちろん、石油由来の人工香料は一切つかっておりません。
そのためには、原料そのものの香りを強くする必要があります。
トップの画像は、弊社ハーブと輸入ハーブとの香気成分量を比較したもの。
例えば、乾燥したローズマリーに含まれるterpineolといういわゆるグリーンフローラルな香りのする成分について説明します。
私たちのローズマリーに含まれている量を100としたばあい、イタリア産のものは2、つまり私たちのそれの2%しか含まれておりませんでした。
同じハーブでもそれぐらい異なることがあります。
なぜか。
その理由を大きく分けると、
①栽培技術
②乾燥技術
③農業生産から出荷まで全て自社で管理
に分けられます。
①栽培技術
私たちは、ハーブに適切に肥料をやります。
書籍によっては、ハーブは肥料がない方が良い香りになると書いてあります。
私たちは、そうではないと思います。
適切な肥料、適切な水、適切な日光により、香気成分が増します。
ハーブの香りは、ハーブが虫から自分の身を守るための防御策。
人間と同じで、健康であれば免疫力や防御力、すなわち香気成分が増します。
ハーブも、栄養や水が足りなければ、不健康になり、香りが弱くなり、筋張った感じになります。
一方、栄養過多やバランスの悪い栄養の場合、ブクブクと太ったように大きくなるものの香りがしません。
私たちは、茶の栽培などで得た技術を応用し、香りの強いハーブを育て上げています。
②乾燥技術
私たちは、協力していただいている企業と私たちとで連携して特別な乾燥機械を開発し、これで乾燥します。
天日乾燥、陰干し、というと、自然な感じがして好まれる方も多いかと思いますが、私達はそうしません。
天日乾燥などを否定はしませんが、それでは、美味しい香りの強いハーブを作るのはなかなか難しくなります。
気温が高い日に乾燥すると、天然香気成分は気化しやすいためあっという間に香りがなく弱くなってしまいます。また、細胞壁が壊れやすくなり、葉緑素が酸化してハーブの色が黄変します。さらに、植物に含まれる油分が酸化しやすくなり、古くなったお茶のような匂いになります。
雨の日や湿度の高い日に乾燥すると、雑菌が繁殖しやすくなり、いわゆる生乾き臭が出やすくなります。
私たちは、乾燥状況に応じて最適な温度、最適な湿度で乾燥させます。そうすることにより、香りが強く、嫌な臭いがしない、かつ綺麗な緑色の乾燥ハーブを作ることができます。
③農業生産から出荷まで全て自社で管理
私たちは、農業生産から包装までを全て自社で管理しています。協力企業に農業生産をお願いする場合でも、かならず生産に関する情報を共有していただくようにしています。
農業チームと加工チームが密接に連携することにより、畑で収穫したらすぐに乾燥工程に移れるようにスケジュール調整をしています。収穫した瞬間からハーブから香りが飛んでしまい腐敗が始まるのですが、これを極力少なくするように努めています。
出来上がった乾燥ハーブは、すぐに酸素を取り除いた袋に封入し、冷蔵保存しています。
繰り返しになりますが、ハーブは非常に香りが飛びやすく、かつ酸化しやすいものです。
熱、光、湿度、そして酸素に弱いものです。
輸入品は、船などで輸送されることもありますが、貨物は摂氏60度ぐらいまで上昇することもあります。一般的にハーブは摂氏35度を超えると、加速度的に香りが抜けていきます。そのため、どうしても香りが弱くなりがちです。また、梱包が悪い場合、酸化が進みます。
私たちは、国内で生産し、輸送時の劣化を極力防ぐなど保存環境もしっかり管理しています。
ちゃんとした香りの良いかつ効能を有するハーブを作るために、私たちはこのような努力をしています。
緑茶には良いお茶悪いお茶が存在しますが、まだまだハーブの世界ではその良し悪しを評価する指標がないように思います。皆さんにより良いハーブを知ってもらえたらな、と思っています。