イメージを言葉で伝える。
「自転車の運転と同じで、バランスを保つには前進し続けるしかない」
この言葉は、Jリーグの徳島ヴォルティスのポヤトス監督が、先日行われた試合前に発した言葉である。自分にとっては、この言葉が凄く刺さった。
なぜ、この言葉が刺さったのか?
なぜを述べる前に、この言葉が生まれた背景を少し説明したい。
徳島ヴォルティスは今年J1に昇格したチームであり、J1経験者も少なく、経験という点でかなり不安定要素が高いチームである。
しかも昨年までの監督が退任し、新監督を迎えることになるのだが、外国籍の監督のため、コロナ禍で入国ができない状況であった。
その入国出来なかった新監督が、冒頭紹介したコメントを残したポヤトス監督である。彼はようやく1ヵ月半ほど前に入国でき、待期期間を終え、指揮を執るようになったのだが、リーグ戦4連敗・・・。
1つも勝ち点を積むことが出来なかった。
失点に繋がる致命的なミスも多くなっており、仮に5連敗ともなれば、選手のメンタルも一気に崩れかねない状況であった。
そんな中、試合前に発せられた。この言葉。
「自転車の運転と同じで、バランスを保つには前進し続けるしかない」
恐らく、チームの誰しもが自転車に乗っている絵を思い描き、前進しているからこそバランスを保てている状態を想像したのだと思う。そして、厳しい状況であっても前に進み続けるしかないと強く思ったのではないだろうか。
チーム全員が同じ情景を共有できる言葉って素敵だ。
スポーツだけでなく仕事でも、チームで活動する以上はこういう言葉が大切でだと思う。自分も少しでもいいので、共通のイメージを伝えられる言葉の引き出しを増やしたい。そして、チームが窮地に立った時に自分の言葉が、チームの役に立てればと思うのである。