競技会
【はじめに】
競技会の審査員をやってきました。
私はコーヒーに関わる仕事をしています。
主に「焙煎」と呼ばれることをしています。
生豆(なままめ)と呼ばれる青緑っぽいコーヒーの実の種子を加熱して茶色の“コーヒー豆(焙煎豆)”と呼ばれる状態にするのが焙煎です。
稀に焙煎豆の素となる生豆の品質を鑑定することもあります。Qアラビカグレーダーと呼ばれる国際資格を2012年に取得し更新し続け12年。生豆の品質を鑑定することもやっており近年は台湾産の珈琲を鑑定したりしています。
そして2024年はコーヒーを抽出する技術を競う競技会の審査員にも挑んでいます。
焙煎したコーヒー豆を販売している身としては“いかに簡単に抽出できるか”とか“慣れていなくてもおいしく淹れてもらえるように”を意識して焙煎していますが、一方で“抽出でどこまでコーヒーの美味しさを引き出せるか”も理解を深めていきたいと思うようにもなりました。
そのような流れから抽出競技会の審査員をやるようになったのです。
【やったからこそ見えるものもある】
審査には責任が伴うと思っています。過去に私自身が焙煎の競技会に出場した際は予選を通過し、日本一を決める決勝戦では4位という結果でした。
チャンピオン472.75点、NAKAJI468.75点。その差は4点。それが事実であり後から何を言っても変わらないのですが「あそこであれをしていれば…」と思わなかったことはありません。
後日、2位になった人や3位になった人と話をしたときにも「あそこであれをしていれば…」とひと言でた時には“皆そう思うんだな”と思いました。
皆、結果を受け止めていますが次こそは…と思うのでしょう。私も同じです。チャンピオンを讃えながら悔しさを滲ませるのです。
そんな経験もあり今回の審査では“選手が納得いく審査”を意識しました。選手が提出した味をしっかり理解したうえで結果を伝える。ここを強く意識しました。
審査した競技会は選手の目の前で結果を伝え、評価の内容を伝えるため判断の瞬発力が求められました。
結果と評価に対しては皆さん結果に納得いったようでそこはほっと胸を撫で下ろしました。
優勝した人以外は負けとなるのが競技会。優勝した選手以外は悔しさを滲ませるであろうと想像するも、優勝した人の味を知ることでまだまだ伸びることができることを知ることができ、自分の可能性を広げることもできたと思います。
これこそが「やったからこそ見えた世界」ではないかと思いました。
来週は自分が競技会に出場しますが、やはり負けたくはありません。そのためには世界一になるしかないですね。
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