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八月の隠しポケットから軍歌

文月の花火は咲いて散りながら葉月の加藤法子を鳴らす


父の日の父川べりに犬といる

八月の隠しポケットから軍歌

どの風も風鈴にきてよく喋る

羽抜鶏にもたぶんある盆の窪

振り向かぬためにある蜥蜴の尻尾

補陀落の見える辺りに梅を干す

話しても解らぬ人に林檎擂る

青りんご父を好きだとまだ言えぬ


加藤法子

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