テレワークは、人の生き方をも変える

テレワークって、誰かを助ける仕事じゃないし、誰かを良くする仕事じゃないし、誰かに助けてもらえることはほとんどないし、自分が他人に教えることもほとんどないし、個人の資質がダイレクトに問われる仕事だと思います。仕事ができない社員がどんどん炙り出され、容赦なく厳しい人事評価が下されるので、本当は怖い働き方改革の代表例と言われています。

その一方で、仕事ができる人はどんどん新しい仕事が増えていきます。その結果、労働時間は長くなり深夜勤務や24時間労働の危険性も出てきます。働き甲斐があるかどうかは、その仕事でどれだけ大きな成果が挙げられるかで決まるでしょう。一時期IT企業がテレワークで成果を挙げていましたが、そのIT企業でも新人を育成する余裕は失われて本当に使える社員だけが仕事をしているというのが実態です。

テレワークでは、仕事を教えてくれる人はほとんど誰もいません。全て自分の努力にかかっています。努力の結果、成果が得られ新しい仕事が出てきます。新たなビジネスチャンスと捉える人もいるでしょう。けれども、テレワークで新たなビジネスチャンスを手に入れ実際にモノにする人は極めて少数派です。ほとんどの場合は、過去に前例がなく全くゼロから道を切り開いていかないといけないことばかりだからです。ルーティンワークがほとんどの仕事や前例をなぞるだけの仕事をしてきた人にとっては地獄とも言える環境でしょう。おまけに、部屋には自分一人しかいないので孤独感も大きく、人とのつながりを仕事に求める人や人と関わるのが好きな人がテレワークに適応できないケースが増えています。和を以て貴しとなす、人との絆を大事にする日本人の体質には合わないのです。テレワークが多くの日本人、特に女性に支持しない人が多いのもよく分かります。

かく言う私も、今年初めてテレワークというのを経験しました。始めた当初は物珍しさもあり楽しいことばかりでした。新たなビジネスチャンスになるのではとも思いました。しかし、周囲の反応は違っていました。人に会えない、人と話せないのでストレスが溜まる、家にいると家族と喧嘩になる、外に出れないのは苦痛、など負の側面ばかりがクローズアップされていったのです。

自分も、続けていくうちに会社にいる時よりも厳しい自己管理が要求されると感じるようになりました。通勤がないことも、初めは朝時間がかなり余ると肯定的に受け止めていましたが、次第にペースメーカーがなくなる、通勤がないと運動量が落ちると思うようになりました。家にいる時間ずっと仕事なので、仕事だけでなく仕事以外の面も仕事に直結するようになることも分かってきて、それゆえ厳しさを感じるようになりました。

テレワークで話題になったのが、仕事の時に使うアイテムと自宅でのストレス解消法。このうち、仕事で使うアイテムは全てテレワークが始まる前からあるものを使いました。そのため、仕事関連のアイテムを新たに購入することはありませんでした。
しかし、自宅でのストレス解消法は、自分の場合いくつものパターンがないと解消できず、新規購入はかなりありました。ストレッチ座椅子を買ったり、自宅でランニングができない代わりに踏み台昇降運動の踏み台を買ったり、ニンテンドースイッチを買ったり、最後にはランニングマシンも買ってしまいました。その一方で、今まで聴いていたラジコプレミアムは解約、テレビもJSPORTSは解約、スポーツジムも解約とストレス解消法が今までとだいぶ変わりました。

もう一つ話題になったのが料理。テレワークでは、家庭持ちの人はパスタを食べることが多いと聞いて自分もパスタを昼食で作ることが多くなりました。スーパーでも一時期パスタが品薄になることがありましたね。あとは、たこ焼きやお好み焼きも作りました。これも家庭で作る人は多かったようです。それと、パンケーキを作ることが多かったです。自分はヘルシオクックも持っていたので、それもかなり使いました。新たなレシピを公式サイトや本でたくさん見ました。ステイホームで、料理の腕はかなり向上しました。NHKの「きじまりゅうたの小腹すいてませんか」みたいに残り物で何か作れるようになりたいと思ってきじまりゅうたの本も何冊か買いました。

運動については、テレワークになる前から自宅で筋トレやストレッチをしていたので特に困ることはありませんでした。新たに体幹トレーニングを強化する必要があるとプランクのやり方を動画で見たりはしていました。

夏になると、在宅ワークの疲れから、パソコンの使い過ぎによる右腕のしびれが発生しました。整形外科で薬をもらい、整体も受け小指のしびれだけになりましたが、対策としてデスクワーク用のクッションを購入してクッションの上に手を置いてパソコンの仕事をするようになってから手が楽になりました。

秋になると、窓を開けて換気していたら外の空気感染で身体じゅうの皮膚がかぶれてしまったので、窓を開けるのをやめて加湿器を新たに購入しました。サーキュレーターと合わせて使うと加湿器のミストが部屋に広がりやすいと聞いたのでそれも新たに購入しました。部屋の空気が一気によくなり、冬も暖房とセットで使うと部屋がものすごく快適です。換気はコロナ対策にも有効なので、これは本当にいい買い物でした。

テレワークが始まってから、パソコンの仕事も進展がありました。プログラミングはそれまで個人レベルでは勉強していましたが、実務でも使えるようになってほしいと言われ、関連の書籍を購入しました。独学でやるかアビバでやるか難しい所ですが、現時点では独学で行います。

色々書きましたが、テレワークになってからは、仕事よりもプライベートの方が大きく変わったように思います。仕事関連の新規購入はほとんどなく、プライベートでテレワークに対応するための新規購入がかなりありました。テレワークだと外出が少ないので、休日外出することが多かった自分にとっては大きな変化でした。あとは、人に会うことも少なくなり、オンラインビデオやネットでの付き合いが増えました。オンラインでも、深いつながりを作ることは可能と感じました。

テレワークは、人の生き方をも変えると実感しました。運動中心だった自分が本当に仕事中心に変わりました。プライベートも、新しいことに取り組むことが多かったように思います。自分はテレワークでうまくいった部類に入るんだろうと思います。ただ、本音はテレワークは好きではなく、以前のような生活の方が楽しいと感じています。テレワークは、仕事で大きな成果が出ないとやりがいはほとんどありません。そのため、仕事で結果を出すことが最優先課題となります。今までプライベート重視だった自分が仕事中心の生活に変わった要因でもあります。そして、仕事はパソコンの仕事だけ。これも大きな特徴です。通勤していた時はパソコン以外の仕事もありました。しかし、テレワークでは本当にパソコンしかないのです。自分がテレワークでうまくいった要因として、パソコンスキルを身に着けていたからというのがあります。正直言うと、テレワークの方がパソコンでも上の仕事を求められます。そのため、自分の活躍の機会が増えたというのはあります。行動で評価されるということがないので、上司や先輩へのゴマすりも必要ありません。これも、自分がテレワークでうまくいった要因の一つです。結果だけで評価される、テレワークは成果主義の仕事だからです。成果主義の仕事の方が、厳しい代わりに評価システムが公平なので自分に合っていると感じられます。

ただ、テレワークは負の側面もかなり多いので日本では定着しないだろうと考えられます。その代わり、うまく行けば恩恵もデカい。テレワークは個人の能力が大きなウエイトを占めるので、個人の格差が広がる職種だと思います。政府はテレワークを推奨していますが、格差社会の拡大につながる懸念もあります。それも、適応できる人が少ないので格差は今まで以上のものとなるでしょう。

テレワークは人の生き方を大きく変えると思います。ただ、定着はしないので社会のあり方までは変わりません。個人のスキルが高い人には大きな援護射撃となるでしょう。テレワークを生かせるかどうかは、全て個人の能力次第だからです。



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