捨てるから手放すという考え方へ。
本書はまったく仕事の整理ができなかった著者が「片付け」と出会ったことで仕事も、人間関係も、人生すらもうまく整理し、好転させていった具体的な習慣術を50こも学べる1冊です。
突然ですが問題です。
「ビジネスパーソンは1年間で仕事中に何時間ほど書類を探しているのでしょうか?」
・
・
・
答えは「80時間」(コクヨ調べ)です。
ちなみに厚生労働省の調査によると、2023年の日本の平均年間総実労働時間は1636時間です。なんと労働時間の5%が、探しモノという生産性のない行為に費やされているんです。
恐怖ですよね。私たちは「時間がないからできない」と忙しいを言い訳に「やりたい」ことすらも諦めています。これって人生の可能性を自分で潰していると言っても過言ではないですよね?
本書では無駄になっている探しモノにかかる時間を根こそぎ排除し、自分の使える時間を劇的に増やしてくれる1冊です。
しかもたった3分でできる習慣術として50個も紹介されています。使いこなせばあなたの人生が好転すること、間違いなしです!
本書から3つ特に印象に残ったポイントをご紹介します!
モノを置く瞬間に「整う」か「散らかる」か決まる
「モノが散らかるのは、どの瞬間でしょうか?」
・
・
・
人がモノを動かしたり、増やした瞬間ですよね?使い終わったものを雑におく。新しく買ってきたものをその辺に何も考えずに置いておく。
この何も考えずに「置く」動作を繰り返すことで部屋が散らかっていきます。しかもこの「置く」という行為。意識的にやったことってほとんどなくないですか?
玄関ポストに入ったチラシとか、子供がもらってきたプリントとかとりあえず置いてませんか?これが部屋が気がついたら散らかっている原因を作っていたんです。
「置く」を雑にしないこと。「意識して適切に」置くことで、常に整った状態を保つことができるようになります。
「思考」ではなく、「試行」する
学んだことを考える「思考」だけで満足していませんか?本を読んでも人生が変わらない一番の原因は、アウトプット不足です。
人生は長いようで短い。緊急性は低いけど、重要なことに時間をかけないと死ぬ時に必ず後悔します。それでも日々押し寄せるタスクに追われ、自分の本当にやりたいことは後回し……よくありますよね。
ビジネスを読む目的はなんでしょうか?読むこと、ではないですよね?読む前に感じていた悩みを解決することだと思います。だから、読んだらやる!ぜひ学んだことを試行してみてください。
インプット3:アウトプット7くらいの比率でやることでやりたいことが整理され、重要なことに使える時間が増えていきます。
「思考」ではなくて、「試行」。
この本の中で気に入った金言です。
4つの「あ」を意識する
松下幸之助さんの言葉の中では3つの「あ」の重要性を感じることができます。
・あせらず
・あわてず
・あきらめず
タイパとコスパを重視してすぐに正解を求めたがる現代に置いてこの3つの「あ」を意識することは感性を磨き、人生を彩るために欠かせない視点だと思います。
さらにここにもう一つの「あ」を加えることが大切だと著者は主張しています。それは
・あてにせず
です。これは「期待」をコントロールすることの重要性を教えてくれます。仕事がうまくいかない時、「あの人が悪い」「この人が悪い」と自分を棚に上げて他人に責任を押し付けていませんか?
また、他人の「やってあげる」「力になるから」といった口約束を頼りにしていませんか?他人を頼ることが悪いわけではありませんが、他人に頼りすぎる、他人に期待することで一番傷つくのは自分です。
だから、「あてにせず」なのです。言い換えるのであれば、「期待値をコントロール」することです。自分のご機嫌は自分で作る。自分の人生も自分で作る。期待を他人に依存しないこと。そして、自分にも期待しないこと。
片付け習慣を手に入れる最大のメリットは、「期待」のコントロールが上手くなること。つまり、いらない「期待」を手放すことにあります。「手放す」思考を手に入れるために本書を読むことを強く、強くおすすめします。
劣後順位を意識することで人生は好転する
「手放す」とはつまり、「やらないこと」を明確することにつながります。私たちは「やりたいこと」は考えがちですが、「やらないこと」まで考えている人は少ないのではないでしょうか?
やらないことを決めておくことを「劣後順位」と言います。人生は短い。だからこそやらないことを先に決めておく。「やらないことリスト」を作成し、考える時間を手放し、「やることリスト」をやる時間に投資する。そのために「片付け」を習慣にしてみてください。
整理ができる人になり仕事を、人生を好転させたい人はぜひ本書でおすすめされている習慣術を生活に取り入れてみてください。