国際コンファレンスの運営委員長をやってみた。
1はじめに
実は学会の運営はひたすら逃げていて、今までやったことなかったんです(シュシュの皆様にはひらに、ひらに)。セッションを1つの教室でできる場合は、国際コンファレンスといっても本学のサテライトキャンパス(関東学院大学関内メディアセンター)で十分運営できるし、昼食も夕食も近くで提供できるので可能だと思ってました。
https://drive.google.com/file/d/1OViEdhQGxHyA1mgJLHSi932IR2Gwd-B6/view
今回はいわば自分の専門のホームグランドであるCTW(Contract Theory Workshop)で13年前から続いている(East Asian Contract Theory Conference) の開催を一昨年に香港の同じコンファレンスに報告させて頂いた機会に引き受けた次第です。それ以上にこちらでは20年間お世話になってますし、本学でしかできない強みもあったので、そろそろ貢献しないということで。日程は12月7日の土曜日。
結果としては、そんなに大きな失敗もなく(完璧じゃないのはしょうがないw)、好評で終わったのにほっとしていると同時に、重要なコンファレンスだと自信を持っているので、一生のいい思い出になります。また、折角なので、忘れないうちに記録に留めます。どちらかというとやりすぎの部分が多く、当然それでももうちょっとやったほうが良かったというところもあります。マニュアルにして残すもの考えてますが、マニュアルだと更に面白くないので、ちょっとネタ風に計画をまとめてみました。ネタ風というのは、こういう場合、想定外のことにも可能な限り対処できるように準備するのが最も重要。しかもハインリヒの法則に則って、問題が起きそうな事態をそもそも起こらないように出来るだけ事前に対処することが原則になると思います。
自分には真似できないですが、お手本にしたい歴史上一番すごいと思うのは、やっぱり諸葛孔明ですが、特に劉備が亡くなって蜀の求心力が著しく低下したとき。このとき司馬懿は8つの方面から蜀を攻撃し、八方ふさがりって名前を付け、司馬懿自身は蜀の滅亡を確信してたわけです。ところが孔明がすごいのは、それ全部撃退したこと(内容忘れたんですが、全部の方面に適材の武将派遣して、全部鎮圧。そのうち吉川英治の該当箇所を読んで報告します)。もうすごすぎです。個人的には、ここまで凄くないにしても、実は宇宙戦艦ヤマトの七色星団の時のドメル艦隊をイメージして、4つの空母を機動的に動かせる感じで不測の事態に対処したいなあと。ということで、研究はこんなに余裕ないですが、どういうことするかを考えるときは大体第三空母を投入する時のテーマソングを脳内再生してました。これ好きなんですよね。
あと、終わった後につくづく思うのは、頼れる人が多くいるかって、本当に重要ですね。そういうとき、モチベーションを共有できるって本当に重要。定期ポストですが、やっぱり想定外の見方に助けられるSF映画が一番好きなわけですが、実はこういう経験を5回くらいさせていただいて超感謝。ここで改めてお礼を申し上げます。
2.会場の手配
先ず、会場の手配は実は二年前に。まあ、自分の大学なのでこれは問題なし。有名大学だと、こういうところの競争率から高くて大変ですが、そこが楽なところがまずメリットの一つ。しかもフリーのwifiもスタッフもコピー機も一通り揃っているので、急な用事にも割と答えてくれます。流石に15年以上勤務していると地元の情報を教えてくれる人は流石に増えたので、こういうときには実は無茶苦茶ありがたかったです。
3. 宿の手配
次が宿の手配。実はここはここまで運営側がする必要なかったなと思うところですが、当初はどうなるかわからなかったのと、宿がないというのは国際コンファレンスでは最も洒落ならない事態なので、それだけは絶対避けたい。ということで、ややお節介な感じではありましたが、希望者全員用を確保するという目標で手配しました。やると覚悟を決めたら、迷っているより遥かに楽なもんです。できれば一年前には予約したかったわけですが、その時点ではどれくらいの参加者がいるか全くわからないという状況がまず最初の懸案事項。
予想外の見方に助けられるの巻第1。
これで一番助かったのは、購買部で旅行の手配をお願いして懇意になっていた担当者のMさんが予約できる宿を紹介してもらえたことです。結局その宿はやや遠くて値段堅かったので使わなかったのですが、こういうデフォルトというかアウトサイドオプションを出来るだけ確保するのが運営側としてはムッチャ精神安定剤になります。
ここでもポイントは、科研費や他の公的な研究費を使う場合、予算枠と適性使途の確認ですね。最初の宿はややその予算より高くて断念しました。ただ、最悪やや遠目の安い宿は確保してもらって、そこをデフォルトにできたわけです。
その後、実際に会場近くの宿を足で探して候補を三つに絞ったのが3月ごろ、実際に6ヶ月前じゃないと予約出来ないと言われ、予約したのは6ヶ月前です。とりあえず人数が確定すればキャンセルするという方向で、6ヶ月前に80部屋を確保しました。結局使用したのは15部屋くらいでしたが、この時点では最善策でしたね。あとはとりあえず教科書通りのoptimal pathに従って、部屋数をコントロールして、最終的に特定したのは1週間前です。
今回は会場の近くで、国内旅費の範囲に入りそうな3つのホテルにそれぞれ30もしくは20部屋を確保しました。
リッチモンドホテル金曜:15500円, 土曜:21500円(朝食なし) https://richmondhotel.jp/en/yokohama/
アパホテル金曜:11,100円、土曜:16100円(両日朝食付き)https://www.apahotel.com/hotel/shutoken/08_yokohamakannai/?version=en_us
コンフォートホテル:金曜:8,000円, 土曜:8,000円(朝食付き). https://www.choice-hotels.jp/hotel/kannai/
3. 昼食の場所手配
次に昼食、夕食の場所。昼食は1階にビュフェスペースを確保。ここは人数が五十人から100人まで対応できるので、ここで確定。これも研究費で出すのはいろいろ制約がありまして、それを科研の代表者(今回はWBSの伊藤先生)に詳細に確認しながらやりました。実は普通の食事はダメ、弁当とビュフェならOK(基本昼食もディスカッションがメインなわけですが、普通の食事だとそれがメインだと思われないので、どちらかにしてほしいという意図だと思います)というしばりがありました。また、本学のサテライトキャンパスは教室内ではペットボトル以外の飲食禁止だったので、必然的に1階でビュフェということになりました。実はこういう細かい規則は実際使わないとわからないので、こちらのEIP(https://www.facebook.com/events/295713451127483/ )に参加させていただき、会場を確認できたのは大きかったです。ここら辺の情報もあって、手配したのは6月くらいですね。
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ハーバーズ・ダイニング
内野 温 Atsushi Uchino
営業時間:平日11:30~21:00 (土・日・祝日 定休)
TEL・FAX:045-222-7708 MOBILE:080-4152-0808
お電話でのご連絡は平日14:00~18:00にて受付致しております
ご不明点ご質問等はメールにてお送り頂けますと幸いに存じます
E-MAIL:harbors.d@tvk-yokohama.com
URL:http://www.tvk-yokohama.com/harbors/
〒231-0011
横浜市中区太田町2-23
横浜メディアビジネスセンター1F
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4. 夕食の手配
実は夕食も1階でやりたかったのですが、既に1年前に予約があって無理。ということで、とりあえず人数確定するまで、80人以上、60-80人、60人以下で3カ所を押さえるという方向にしました。これがどこがいいか最初は全くわからない。ということで、前年度にメディアセンターで複数回ワークショップをして、場所を開拓。それでもなかなかわからなかったのですが、そこで予想外の見方に助けられるの巻第2。
本務高の勤続が長いといろいろ役が回ってくるもので、現在日本拳法部の部長をしています。ここで、OBのYさんが本当よくご存じで、よさそうなところを教えていただきました。結局夕食会場は最も近くに教えてもらった、ギリシャ料理になったわけですが、それ以外もいろいろ教えていただいたので、巻末で。とりあえず、80人以上を想定して、横浜ビール厩の食卓 http://www.umaya.com/ 60-80人の場合用に「Italian Dining E' Carina! - イタリアンダイニング カリーナ の姉妹店◆festa di Carina- フェスタ・ディ・カリーナ - URL◆http://www.f-carina.jp mail◆info@f-carina.jp tel◆045-680-2128 address◆231-0004 横浜市中区元浜町4-40関内小俣ビル2-3F 60人以下なら、ギリシャ料理のオリンピア https://www.olympiayokohama.com/ 以上の3箇所を予約。
5.レジストレーション
海外からの報告者も多いので、やや早い目で9月はじめに参加者登録をしていただきました。これで、おおよそ40人くらい、増えても50人程度なので、かなり楽になった次第。ここで夕食もオリンピアにしぼり、部屋の予約も30部屋くらいに限定しました。
6. 当日までのその他の手配
プログラムの作成はしなくていいので、あとは会場での飲み物や受付、印刷物の配布。また、学生アルバイトの手配。一応神奈川大のM先生にはいろいろお願いしようと思っていたのですが、横国のM先生は当日の討論者も担当されていたので、アルバイトの紹介だけしていただいて十分と思っていたところ、当日もいろいろお願いできていて大変助かった次第。M先生が3人目に予想外に助けてもらった方です。横国の学生とうちのゼミ生2人に当日の雑用をお願いし、それに2人のM先生に手伝いをお願いしてとりあえず大丈夫かと思った次第。
当日までのその他の雑用としては、主にリフレッシュメントの手配と、配布資料の準備(名札、名札印刷、ハンドアウト(希望者のみ)、論文(なし)、観光案内、wifi )ですね。会場では本学の無料wifi (OliveFree パスワードの確認)があるので、原則ハンドアウトは配布して、論文はダウンロードしてもらうと言う方向になりました。
さて名札の印刷ですが、ここで奥の手を。実は学会の運営とか一切やったことなかったので、facebookで友人になった山形大学のK先生の依頼で、3月に情報教育学会の大会を行い、その委員長とプログラム委員を引き受けて個人的な予行演習にしていました。そこで仲良くなったH先生に印刷方法を教えていただきました。これがなかったらと思うと結構大変ですが、わりと大丈夫だとタカを括っていたら、思いの外ちゃんとできたので満足(でも危機管理としてはやばいので、もっと早めに聞いておくべきだったのですが)。ということで、ここではらべる屋さん9というアプリ を使いました。
https://labelnine.labelyasan.com/web/index.php?product_code=51215#
ここでおおよそ学会の流れは掴んだので、かなりちゃんと行う自信はつきました。また、今回非常によかったのは、当日の段取りを1週間前ではなく2週間前から確認したこと。大学の雑用もある中だったので、ホントに2週間前から最終確認し始めてよかったです。その1番のメリットは、会場にペットボトルしか持ち込めないので、人数の二倍程度のペットボトルをAmazonで購入して、研究代表者の伊藤先生に会場に前日に郵送してもらったこと。これで当日の仕事が激減しました。サテライトと言っても何と言っても大学のキャンパスなので、荷物の預かり、wifi、そしてコピーやプロジェクター、パソコン、ポインター、ひいては観光案内まで揃っていて、結構助かりました。
またスターバックスのコーヒーをポットで買って設置するというアイデアも教えてもらって、利用しました。徒歩圏内に二箇所。土曜に空いてそうな馬車道店を選択。一杯230円なので、普通に頼むよりは相当安いです。
その他のリフレッシュメント神奈川大学のMさんにお願いしてほぼこれでOK。
また、想定外のことって起こります。特に今回、土曜日なので、夜間通用口しか空いていないこと。こりゃあ、初めての人は絶対わからんわ!ということで、その案内文を写真付きでメールで送付。なお、昼食の会場まで実は入り口がエレベータホールにもあったんですが、それを教えてくれずにわからなかったこと。(なので入り口がわからずとうまわりさせてしまった)。以上のように実際行ってみないとわからないことも多いので、やはり慣れているところで行うことをお勧めします。
また、やり過ぎな感じもあるのですが、前々日に近くのコストコに行って会場に設置用のマーフィンなどを買い出し。これらはスターバックスの1/5くらいなので、値段を抑えるにはおすすめです。
6.当日の経過
今回最大の反省は普通の学会は準備がほとんどで、当日はほとんどすることがないわけですが、どうもその感覚を引きずっていたこと。集合時間も1時間前に入ったほうがよかったなあと。もう一つ想定外だったのは、スターバックスは前日にコーヒーの注文も領収書の書き方も指示して手配していたのに、引き継ぎがうまくいってなくて、当日その場で書き始めたこと。なので10分ほど私自身の到着が遅れて、重鎮が既に全員到着してしまっていたこと、さらにマーフィン用にプラスティックナイフを貰おうとしたのも忘れてしまったこと。これはむっちゃ焦ったw。あと、思いの外うちのゼミ生がちゃんと働いてくれて、リフレッシュメントの管理は神奈川大のM先生と二人で完璧だったんですが、予想より受付が混んで結構手間取ってしまったことですね。
ここで、最後に予想外の方に手伝っていただいたんですが、重鎮のY市大のN先生に受付を手伝ってもらいました。これは本当に助かったなあと。ここが一番ネックだったんですが、そこがなんとかなったら、あとは昼食の場所までの誘導がちょっと手間取った以外は殆ど問題なかったです。
また、昼食の誘導は一部失敗したので、夕食はN先生にお願いして、誘導していただきました。そちらはほぼ問題なし。
6. その後
その後は請求書を処理、余ったものを大学に再送付してもらい、有効利用。ということで、問題なく終了。主催者側だと、全員無事に来て、無事に帰っていただけたということがなりよりです。また、決して有名なコンファレンスではないかもしれないですが、これだけ力をいれるのはなんと言っても報告論文のクオリティの高さ。今回は裏方でなかなか集中できなかったのですが、それでもすごい論文がやっぱりありまして、本当に満足です。国際的に集まることの重要性がすごくわかります。
7.終わりに。
ということで、個人的にはモチベーションありまくりだったので、むしろ予想外の見方に助けてもらえるロードオブザリングの2−3を自分でやってる感じで大変楽しめました。まあ、それも大きな問題なく終了できたのが最も大きいわけですが。今年は学科長と組合の委員長もやってますが、そちらには決して迷惑はかけてないです。
また、終わってみるとやりすぎなところと足りないところがあって反省材料は当然あるわけですが、特にやりすぎのところが多かったかなと。次回からは、宿泊は案内だけにして、参加登録も少し遅れせれば、もっと楽にできると思います。どちらかというと、研究内容より食事やrefreshmentに力を入れすぎだったかなと。コンファレンスの内容に関しても、十分できていたと思うので、まあ、やりすぎのところは削りましょう。
以上、自分自身の費用対効果は極めてたかったですが、これが大きな大会だと本当に大変かと。ということでほとんど断っているわけです(ごめんなさいごめんなさい)。そういった大きな大会の運営委員の先生にはほんと頭が下がります。特に今年の秋の神戸大学の大会をほとんど一手に仕切っていた、神戸大学の経済研究所の柴本さんはほんとによくやってらっしゃったと思います。もうちょっと上がちゃんと危機管理しようよ。って日本の悪いところの縮図がこんなところにも出てくるとは...