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仁淀ブルー

奇跡の清流と呼ばれる、高知県を流れる仁淀川、通称「仁淀ブルー」は確かに澄んだ水と穏やかな流れで素晴らしい川だった。
あいにくの曇り空だったけれど、友達が大事にしている穴場につれていってもらい、確かにテントで賑わう有名スポットでは考えられないほぼ誰もいない状況で川遊びを楽しむことができた。フライフィッシングの先客がいたようだが、バシャバシャ川に入ってくる我々をみてそそくさと切り上げて行ってしまった。まぁ結構釣れていたようなので充分なのではないだろうか。

まず、川で服を脱ぎ、さあ泳ぐぞと息巻いていると夏ですし虫が寄ってきますね。日焼け止めは塗ったものの虫除けはしなかった。まぁ蚊に食われるくらいならこの際いいかと思っていたわけです。なんかいつの間にやら腹とか脚とかが刺された感じがあるけど、とりあえずいいでしょう。なんかハエも飛んでるなぁ、みたいなね。なんかハエ多くない?って感じで川で遊んで下流に行ったりして流れの早いところを歩いたりしてそこまで危なくないねぇなんて言ってたらスゴいハエがたかってくるんですね。嫌じゃないですか。なんか知らないけど身体にハエが纏わりついてくるんです。
これね、今ちゃんと調べたんですけど、アブだのブユだのでした。そして次の日から急にめちゃくちゃ痒いのなんの。ブユは刺されている間痒みなどを感じず半日経った頃から激しい痒みが発生とのことで大半はブユですね。あと明らかに「いてぇ!」と言ってしまうくらいの痛みがふくらはぎ辺りに来まして、多少の出血もありやばいの刺されちゃったかもと思ったけどこちらはただただその時一瞬痛かっただけ。これは多分アブに噛みちぎられたって感じですかね。とにかくハエが集ってきてうざいと思ってたらハエ科のアブとかブユに噛まれてたというその時は何とも思わなかったけど今考えるとゾッとする状況に裸で立っていました。あぁ怖い。友達の方は喫煙者ということもあってかそれほど集られてなかったので、非喫煙者かつ甘党の酒好きに寄ってきてたんでしょうね。最悪です、もう川には行けません。

友達でさえ行ったことがないという上流のほうに泳いでいくと、あれは釣り人なのか?という黒い影がありました。どうやら少し動いているし、行ってみようと思って足も着かない深さの川を泳いでいきました。友達は、戻ってるよ、と叫んでたので、こちらも手を上げて応えて、さらに上流へ。人影かと思っていたものは、どうやら人ではなさそう、樹形なのか?岩の上にいるあれはなんだ?ちょっと文面が怖くなってきましたが何かが遠くの岩の上にいるのです。静かな水面を中井の頭がスーッと川上に流れていきます。
鳥だ。
そう認識できる間合いに入った途端、彼はとんでもなく大きな翼を広げて奥へ飛んで行ってしまいました。トンビやタカというよりは、ワシのように見えました。そんな野生のワシを見れるものなのかわかりませんが、滅多に見れない動物を見れて少し嬉しかったものです。
すると遠くから私を呼ぶ声が。確かに川上の秘境に脚を踏み入れつつあり危ないといえば危ないなと思い、引き返しました。後から聞いたら、あのまま死ににいくんじゃないかと心配になって呼びに来たとのことで、そんな大袈裟なと思いましたが日本のホラー映画を見ているとそういう時こそ自然の奥に引き摺り込まれて、、みたいな描写結構あるような気がしますよね。ちなみにもう一羽鳥がいて、私がワシなのかハヤブサなのかに向かって泳いでいるのを上から見ていたんですよ。なんか首の長いツルみたいなやつ。もしかしたら深い森の奥への案内役だったのかもしれません。私が川下に引き返すことがわかると、さっさと飛んで行ってしまいました。私からの攻撃など絶対届かないような位置にいましたので、物音を立てたから居なくなったという感じじゃなかったんですよね。帰ろうとしたから、あちらも居なくなった、そんなレスポンスを感じて、なんだか気持ちが悪かった覚えがあります。
今考えると、あの影はなんだろう、釣り人かも?と思って確かめに行く精神ちょっと変ですね。大型の鳥で良かったですが、万が一、人は人でも、、という可能性もありました。一人で、人目のない自然と対峙する時は程々にするべきだと今になると思います。川にテンションが上がってしまいました。友達が呼びにきてくれなかったらさらに奥まで行ってしまってましたね。

仁淀ブルーで泳いだ後、うまいロードサイドラーメンを食べて、まだ午後も時間があるので別の海に行きたいと無理言って連れて行ってもらいました。泳ぐつもりで行きましたが、仁淀ブルーを経験した後だと秘境でもない限り海が魅力的に思えず、浅瀬でちゃぷちゃぷ散歩みたいな感じで終わりました。まぁそれでもお気に入りのサマーソングをスマホで流しながら短パンを目一杯捲り上げて太ももまで波を浴びて、ビーチサンダルの鼻緒も取れて、楽しいひとときでした。そんなに海好きだったの?と言われながら、何で海が好きなんだろうなぁと考えて、波打ち際のリズムと感触を心ゆくまで堪能してこの日は帰りました。
帰って、めちゃくちゃマジックザギャザリングをしましたね。

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