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9月2日

安いギターを買いましたと前回のエッセイで書いたのだけれど、コストを下げるために部品を減らしているためオクターブチューニングが合わない(要はブリッジがテイルピースと一体型のバータイプ)。開放弦のチューニングを合わせてもブリッジ側(右手側)のポジションで音を出すと音程が悪いのだ。そういう性質のものだとわかって買ったし、ジャカジャカ音色を楽しむ分には問題ではないけど、それを使って録音しようとすると急に話が変わってきてしまう。なんかズレてるなぁとこの一週間、少しずつ調整してみたけどもうお手上げ。改善するためのパーツを買わなければいけません。
もういい!とこれまで使っていたストラトキャスターを手に取るとなんとまぁ弾きやすい、チューニングも合う!そりゃ20年間、お金もかけて修理も補修もして調整し続けてきたのだ、あれは無駄ではなかったのだなぁと改めて認識することになった。

今はアルバム制作のための編曲+デモ音源づくりが目下のやるべきことなんだけど、音源作品の工程上録音に近づくほど気力を使う。編曲をとにかくシンプルにしたい(それが難しい)。
安藤忠雄の建築なんておれでも設計できそうだ、という人を実際に目の当たりにすると、この人はある程度文化に精通し世界を把握したつもりでいるのだろうが迂闊にそんなことを口走ってしまうほどに建築がどのように形作られるのか(何と闘っているのか)に思いを馳せるのは難しいのだなぁと思う。同じように、音楽(音源)がどのように作られて何と闘った結果生まれているものなのかは、実際に自分の責任で作ったことのある者にしかわからない。まぁそんなことはtinyなことで、大衆に伝わってこそはじめて意味を持つと言い出すのだろうが、わたしが闘っているのはおそらくあなたの触れたことのない技術なのだ。そんな闘いをする必要はみんなはないし、いくらでも簡単に済ます方法はある。ただ簡単に済ますなんてことを中井設計はやらないのです。こんなのわたしでも作れそうだ、というすごい曲にしたい。

写真はトムアンドジェリー展のショップバッグ。

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