2030年度末、山線はバス転換に
私のnoteでも取り上げてきました、JR北海道 函館本線の山線(長万部駅〜蘭越駅〜ニセコ駅〜倶知安駅〜余市駅〜小樽駅間)は、2030年度末、北海道新幹線の札幌駅延伸に伴い、廃止される事が見込まれています。
これにより、山線の中央部にあるニセコエリアは、ローカル線を失う代わりに、首都圏東京・東北地方とのダイレクトアクセスが可能になります。
私はこの地域に生まれた者として、山線の転換期を見てきました。
幼少期、山線は赤いディーゼル機関車が客車を牽引し、函館から札幌まで(それ以上の長距離輸送もありました)を一本で結んでいました。今はバスがありますが、ニセコエリアと札幌は、鉄路でダイレクトアクセスだった時代があるのです。
1985年の岩内線の廃止、1986年の胆振線の廃止の頃から、ディーゼル機関車の客車列車は運行されなくなり、代わりにキハ40系という汽車の2〜3両編成に置き換わります。客車列車はなくなり、タラコ色、もしくは急行色と呼ばれる黄色と赤のカラーリングだった汽車ばかりになりました。幼少期の自分は、近代化を感じていましたが、客車列車の走っていた数年の間にモータリゼーションが進み、汽車に乗る人が減っていきました。
その頃から、山線のキオスクは順次閉店し、長万部のかにめし販売も、倶知安の駅そばもなくなりました。そして、函館本線は小樽駅を境目に系統分離され、小樽駅〜長万部駅間(一部は蘭越駅・倶知安駅・然別駅行き・折返し)での運用となりました。
その10年後、1996年となり、冬場のみキハ150系が走り出します。これはキハ40系だと冬場遅延が発生する事を防ぐ目的だったと聞いています。更に、今でも札幌圏で活躍するキハ201系が朝一のニセコライナーとして活躍するようになり、朝9時に札幌に到着できる状況となりました。札幌に住みだした頃、実家で夕食を食べて最終24時に向かう事も、翌朝早起きして早朝9時でも間に合う鉄路は、大変便利でした。
その後、2010年頃から、倶知安駅での系統分離が始まり、日中は長万部駅〜倶知安駅間と、倶知安〜長万部駅間が分離されました。早朝・夜は長万部駅〜小樽駅で通しでの運用となりますが、日中は倶知安駅で30分程の乗り換え(かつ2両編成〜1両編成へ減車)が発生します。
現在、2020年からは、最新型のH100系に置き換えられ、キハ40系・キハ150系は山線で見られなくなりました。函館駅や八雲駅へ移動する際に乗る、長万部駅〜函館駅間は、キハ40系が現役な為、先日も久しぶりに乗って懐かしんだくらい、山線だけ最新車両になりました。ただ、これは2030年度末の配線まで、地域住民だけでも快適に利用してほしいとの、JR北海道の意向だと思います。
一方、バス路線はまだ検討が始まったばかりです。余市町までは公共性の輸送力も必要と思われる為、バスタ余市ができるかもしれません。小樽駅前も、JRバスと中央バスと分けられているターミナルを統合し、周辺ビルと再開発したバスタ小樽も必要かと思います。
特に2030年の鉄路廃止後早々に、余市駅をバスタ余市にすべく、現在の駅舎と線路のある部分を撤去し、後々巨大なロータリーとバスのりばに再開発できれば、ニセコ系統・積丹系統・高速道路系統の結節点となる可能性があります。簡易的なチケット売り場を用意し、駅周囲+TSUTAYAある踏切側を出入り口とすれば、土地の有効活用ができます。更にインバウンド対応として、クレジットカードや電子マネー対応、各種バスの交通ICカード+クレジットカードのタッチ決済対応も進めば、尚良です。
一方、早朝のニセコライナーにあたる部分は、蘭越駅から高速系統で用意する方法もあります。ニセコライナーの始発駅である蘭越駅(国道沿いを通る昆布駅)〜倶知安駅〜余市駅の主要バス停のみ経由し、余市ICから高速道路経由で札幌へ向かうバスがあれば、朝9時代に札幌到着するバスも用意できます。元々、ニセコライナーは、小樽駅で90%の乗客が降り、90%の乗客が乗るという入れ替わり状態ですが、小樽駅からの乗客は今まで通りの鉄路がある為、小樽駅を経由しなくても良い事、また、余市-小樽-札幌系統は別に用意されれば(もしくは小樽駅で乗り換えすれば)、現在の利便性を大きく損ねない交通網になりえそうです。都内の都営バスや東急バス、福岡市の西鉄バスは高速道路を走りますが、そのイメージです。
もしくは、朝8時代に札幌着ができる、ニセコ周辺エリアから倶知安駅を結節点にした新幹線通勤の形が生まれるかもしれません。
2030年以降の交通網は、大きく変わろうとしています。
これからの議論に期待しつつ、必要であれば意見していきます!
何かお役に立てたようでしたら幸いです。