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伝え方って大事
上の娘が、社会福祉士の実習に行っている。
その実習先でのこと。
妻と娘の会話。
盗み聞きではない。私がいるところで、私抜きで会話されているのだ。
父親ってそういうもんですよね。ねっ。
娘「実習先で注意されたこと。自分なりの考えがあって、やってたことやねんけど、それはダメって注意されて。言われてみればそうやなって思うし、直したほうがいいと思って。注意してくださってありがとうございます。教えてくださってありがとうございます。って思うねん」
娘はお辞儀をしながらありがとうございます、と言っていた。
妻「でも、自分なりにいいと思って、やってたんやろう?」
娘「そうやねん。なんか、やる気がなくってそうした、って思われてるのがいややねん。先生の指摘していることは確かにその通りやから、次からは直そうと思うけど、先生は、私が手を抜いてやっている、と思っている、というか、そう見えるって言ってるねん。私は私なりの理由があって、やっていたことやねんけどなぁ」
妻「それ、ちゃんと先生に伝えたほうがええねんちゃう」
娘「明日、言ってみるわ」
で、次の日、実習から帰ってきた娘。
娘「話したけど、あかんかったぁ」
妻「えー、そうなん」
娘「先生に、昨日の話ですけれど、先生の言うことはわかるし、直そうと思うんですけれど、私はこういうつもりでやってたんです、って言ってん。
そしたら、だから?何?言い訳したいの?って言われて。そうじゃなくてやってた理由をわかって欲しくて、って言っても、言い訳にしか思われへんし、あかんかったって思ってるんやろ。そしたら、はいわかりました、でええんちゃうの、って言われた」
妻「ええ。そうなん。なんなん、それ。きついなぁ」
娘「ああ、この人はこういう人なんやなって思うしかないって。理由を言っても、言い訳やっていわれたら、それまでやし。先生の言ってることに直したほうがいいのは間違いないんやし。
理由をいっても、言い訳って言われるんやったら、今度から、何を言われても、わかりました、って済ませるのが一番やって思った」
妻「えー、なんかつらいなぁ」
娘「だって、直したほうがいいのは確かやし、理由を説明しても、言い訳って言われるんやったら、何を言っても無駄やねんから、そういう人にわかってもらおうとする時間が無駄やん。やから、わかりました、って言っておくのが一番いいねんって」
妻「あんた、大人やなぁ」
うーん、確かにそうやねんけど、なんか違和感。
なんか、気持ち悪いぞ。
実習先の先生も確かに、だけれど
娘がかわいそうとか正しい、というのも、うーん、だ。
妻は娘が正しい、というか、指導の先生がもっとちゃんと聞いてくれたらいいのに、という感じに思っているようだ。
妻は保育士歴30年以上。実習生の指導も数えきれないくらいやっている。
保育の仕方、子育てでも、まずは 「なんでしたの?」
子どもが問題行動をしても、けんかをしても、なにか理由があるはず。
その理由を、まずは聞く。
いきなり、ダメじゃない、と言うことはない。
子どもに対して、ずっとそう接してきている。
実習生に対しても、その姿勢が変わることはないだろう。
その妻からすれば、実習先の先生の対応は、えっ、なんだろう。
寝る前の妻と私の二人の会話。
妻「娘には、悪いことしたなぁ」
私「なんで」
妻「だって、私が、先生にもう一回、話しをしてみれば、って言ったんやし。言って、なんかうまいこと行かへんかったというか、いやな思いするだけやってんから」
私「まぁ。そういう人やってわかって良かったんちゃうの。それに、そういう対応する人ってけっこう多いし。娘の、はい、だけ言ってればいいねん、っていうのも、処世術としては一つの手段やと思うで」
妻「そうなんかなぁ」
私「実習先の先生みたいな対応を取る人は普通にいて、理由をまず聞く、行動の理由をしっかりと聞く、みたいな対応は、そういう指導というか、教育を受けてきた人じゃないと、なかなか出来ないと思うで」
妻「そうなんかなぁ」
私「それに、言い方やと思うねんな。伝え方。娘は、先生に言われたこと自体は受け入れているわけやろ。ちゃんと直そうって思っている。注意してもらえてよかった。教えていただいてありがとうございますって思っているわけやろう」
妻「そうやで」
私「それって素晴らしいことやん。注意されて反発したり、すねたりすることもなく、ちゃんと受け入れて、それどころか、ありがとうございます、とまで思えてるねんで。素晴らしいことやんか」
妻「そうやで、エエこやねんで」
私「伝え方やと思うねん。言い方。人って否定さいれるのはいややん。こっちの言い方ひとつで、その先生の態度も変わることも十分あるやん。
いいこと言ってもらってるわけやろう?直そうと思えること言ってもらえてるねんから、こんな人やって距離を取るような思いを持ったら、もったいないやん。残念やん。
でも、娘は、先生の言われたことは正しいけれど、私はこういうつもりでやっていました。って言ったわけやろう。これやったら、最後、否定で終わるやん。確かに聞いているほうは、言い訳しているように聞こえても仕方ないと思うねんな。
これを、順番をひっくり返して、
これは、手を抜いてやっていたわけではなく、これこれの理由でやっていました。でも、先生のおっしゃる通り、おかしいと思いますので、今後、改めようと思っています、っていえば、最後は、先生の言うことを肯定しているわけだし。
もっというなら
先生のご指摘の通りだと思うので、今後、直していきます。ご指導いただきありがとうございました。ただ、手を抜いていたわけではなく、私なりにこういう理由でやっていました。でも、よくないことが分かったので、今後、
改めていきます。みたいな感じとか。
相手のこと、まずは受け入れて、それから自分の気持ちを伝えて、最後にもう一回、相手の言うこと受け入れて。
そうすれば、相手も、今回のような態度にはならへんと思うねん。そうかあ、そういうつもりやったんかあ。でも今度から直そうなあって言えるやん。
とにかく、最後に、注意してくれてありがとうございました、みたいにちゃんと理解して直していきます、ということを伝えて、相手を肯定して終わったほうがいいと思うねんな」
きっと伝え方で、相手の態度は変わると思う。
娘は社会福祉士として就職する。
カウンセリング的な仕事も多いようだ。
人の気持ちをうまく引き出し、聞き取ることも大事だろう。
自分の気持ちや思いをうまく伝える術も大事な仕事のようだ。
まだ仕事も始まってない。
これからどんどん悩んで伸びていけ。