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サッカー選手の移籍金は契約期間で償却する、移籍金と違約金の違い

優秀なサッカー選手には高額な移籍金がついて回る。
どうしても会計上のこととか、経済合理性とかが気になる。
その処理について調べてみた。

移籍金と一括りで言われることが多いが、実態は移籍金と違約金がある。
過去最高額の移籍金は恐らくモナコ→PSGにエムバペが移籍した際の1.8億ユーロで、最高額の違約金はバルセロナ→PSGにネイマールが移籍した際の約2.2億ユーロ。

違約金はラ・リーガ(スペイン)では義務付けられているため、全ての選手に適用される。
逆にスペイン以外の国では違約金設定されることは少ない。

移籍は本来チーム間で交渉が行われるもの。
契約を保有しているチームと、選手を獲得したい選手との間で交渉がなされて、移籍金が決まる。
この時の移籍金はその選手の時価だ。
一方で、違約金は予め設定されているので、それさえ払えば獲得したいチームは獲得できる。
契約保有チームは違約金を払われて選手が簡単に引き抜かれることを防止するため、有望な選手ほど解約金を高く設定する。
恐らく過去最高がレアルにいたベンゼマで10億ユーロが設定されていた。

移籍金の最高額が1.8億ユーロという中で10億ユーロの設定なので、これはあくまで獲得希望の場合はちゃんと移籍交渉を前提とし、一方的な引き抜きは許さないという姿勢を示すもの。
ネイマールがPSGに引き抜かれて以降、違約金はより一層高額に設定されるようになった。

さて、いつも通り話が逸れてしまったが、本題へ。
久保建英選手が今冬、もしくは来夏に移籍するのではと昨今良く取り沙汰されている。
彼の違約金設定は6000万ユーロ、約100億円。

仮にどこかのチームが100億円で買い取った場合、この100億円はどう処理されるのか。

これは無形固定資産として処理されるのだそう。
そして、その選手との契約期間で減価償却されるとのこと。
仮に5年契約なら、年間20億円ずつ償却され、契約が終わった時に0となる。
M&Aにおけるのれんに似ている。

経済合理的に考えるなら、その選手が年間で創出する利益額が、選手に支払われる年俸+償却額/年を上回れば良いとなる。
しかし選手の本分は稼ぐことではなくチームを勝たせること。
この経済合理性が最終的にどうなっているのかはいつも疑問のまま終わってしまうので、また勉強してなんとなくでも分かってきたら書いてみようと思う。

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