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PGM運営の平和がアコーディアを買収、ゴルフ好きとしては聞き流せない
昨年12月18日、ゴルフ場のPGMを運営する平和が、同じくゴルフ場のアコーディアを運営する会社を買収した。
ゴルフ好きの皆さんにとっては聞き捨てならないニュースだろう。
アコーディアと言えばゴルフ場の最大手。
特徴は安い、そして詰まる。
回転率を上げ、またコロナ禍の流れにのってセルフ化を推進することで、安価を実現してきた。
値段は魅力だが、ハーフ2.5時間が標準で、休日なら3時間以上かかることも。
とにかく安いところをという人と、快適に回りたいという人とで評価が二分されていると言える。
そんなアコーディアを買収したのが、業界2位のPGM。
PGMは、アコーディアよりは高いけれど名門と比べれば安価で、サービスも維持されていて、1ラウンドに流石に3万円も払いたくないというゴルファーたちから人気を得ている。と思う。
そんな1位、2位がグループ化するということで、今後アコーディアは、PGMはどうなっていくのだろうか、とゴルファーたちは皆気になっているとかいないとか。
まずアコーディアの歴史を振り返りたいところだが、なんせ色々なファンドやらが買ったり買おうとしたり売ったりとややこしいので割愛。
2021年にフォートレス・インベストメント・グループがPJC Investmentsを通じて株式を取得し、フォートレス傘下になっている。
フォートレスは米国本社のファンドだが、2017年にソフトバンクが買収しているので、実はソフトバンクグループだ。
基本的には不採算のゴルフ場を買収して再建するというモデルで急速に成長した会社。
平和が買収した時点では173コースを運営。
平和が運営するのは148コースで、合計して321コースは世界最大手となる。
平和が発表している資料によると、買収価格は5100億円。
株価が約2535億円、残りはネット有利子負債の引継ぎで合わせて5100億円とのこと。
即ち5100億円はEV、企業価値のことだ。
アコーディアの業績は売上約1197億円、EBITDAが約421億円。
EV/EBITDA倍率は約12倍。
フォートレスが取得したときは4000億円程度と言われているので、3~4年で1000億円評価を高めたよう、すごい。
また個人的にはゴルフ場がそんなに儲かることを知らず、400億円以上のEBITDAというのが何よりの驚きだ。
さて、この買収によってアコーディア好きの方々は、価格が上がってしまうのではないか。
PGM好きな方々はPGMがアコーディア化してしまうのではないか、と心配している。多分。
実際にどうなるかというと、そんなこと私が分かるわけもないのだが、まず両社は合併せずにそれぞれで運営していくという発表はされている。
また、アコーディアもPGMもそれぞれ大変よく儲かっている。
PGMにも約272億円のEBITDAがある。
冒頭の説明のとおり、価格重視でアコーディア派の人と、もう少し快適に回りたいというPGM派とで評価が分かれていて、それぞれに顧客がついていてちゃんと儲かっているので、敢えてどちらかのやり方にまとめてしまう必要はなさそう。
ということで、同じグループにはなったものの、今後も恐らくアコーディア、PGMそれぞれがらしさを失わずにいくものと思われる。
ゴルフ好きとしては一安心である。
ちなみに私はPGM派です。