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マルチレベルマーケティングとねずみ講の違い

マルチレベルマーケティング(MLM)のビジネスを展開されている方から譲渡の相談をかつて受けたことがある。

私はこのジャンルに一定の知見を持っていたので特に気にはならなかったが、買収候補を検討するために少し調査をしてみると、MLM=マルチ商法=ねずみ講と思っている方がとても多かったことに驚いた記憶がある。

MLMとねずみ講は一見構造が似ているかもしれないが、とても重要な点において異なる。
それは前者は合法で後者は違法であること。

MLMは合法。
略してマルチ商法と言われることがあるが、この場合はねずみ講の意味合いを含んでいることもあり、マルチ商法という言葉がややこしくさせているのだと思う。

ではMLMとねずみ講は何が違うのか。

MLMでは商品が実際に流通される。
階層組織のようになっていて、商品が売れることで、その利益が上位階層に分配されていく。
なので、自身の下により大きなネットワークを作れれば作れるほどに、自身のもとに入ってくる利益配分は大きくなる。

MLMの代表格がアムウェイ。
フライパンなどの商品を実際に販売している。
なので、これはMLMであってねずみ講ではなく、堂々と商売をしている通り、合法だ。

ねずみ講の場合は、MLMと異なり、実際に流通される商品が存在しない。
構造的には上述のMLMと同じようになるが、MLMの場合は実際に商品が売れて、その利益を配分するというのに対して、ねずみ講はただお金が集められて、それが分配されていくという違い。

これは大きな違いで、後者はお金を集めれば集めるほどよりお金を手にできるということなので、詐欺的行為だ。
MLMはあくまで商品を効率的に販売するための仕組み。

あの会社はマルチらしい、という話を聞かれた場合、特段それは問題のあることをやっている訳ではない。
ただ一方で、MLMは一歩間違えると危険な構造になりやすい側面があり、特定商取引法によって厳しく管理されている。

商品を効率的に販売するという観点で、MLMのようなネットワークビジネスには勉強になる点が多々ある。
アフィリエイトとか、SNSマーケティングなどもある種似たようなところがあり、ねずみ講と混同されていた方は、一度調べてみて頂けたら、意外に参考になるかもしれない。


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