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契約書は必ず修正履歴付きで【M&A日記】

M&Aに限らないが、契約書のチェックは必ず双方の修正履歴を残した状態で進めることが重要。

最終的な譲渡契約書が当然最も重要。
多くの場合、買主が契約書案を作ってくるので、売主にとっては修正したいであろう箇所がたくさんある状態からスタートする。
なので弁護士のチェックは必ず入れてほしいし、「弁護士にチェックしてもらってください」と私は必ず伝える。
時に私が良いと思うならいいでしょうとする経営者がいるが、私が内容を見たとて弁護士ではない私のチェックは何の担保にもならない。
ましてや私は仲介の立場であって、一方に肩入れするような助言はできないので、売主もしくは買主としての主張はあくまで自身の弁護士にしてもらう必要がある。
これまでに数多くの弁護士と契約書チェックの過程をご一緒してきたが、優秀だなと思う弁護士はやはり経歴も立派なことが多く、なので高い。
この費用を懸念されるわけだが、それでもやはり優秀な弁護士をお勧めする。

私の優秀な弁護士の定義は、「顧客を最大限に守りながらも、相手方の意向やその背景も理解することができ、最終的な落としどころを作れる先生」。
顧客のことしか考えない弁護士は、破談に導くことがある。
あるいは顧客のことを守るための知見を持っていない弁護士だと、チェックしてもらう意味があまりなくなってしまう。
なので、是非ここは100万円を超えるような費用となる可能性もあるが、優秀な弁護士をお勧めしたい。

優秀な弁護士だと、十二分に経験があるので、表題の修正履歴を残すなんていうことは当たり前。
更には、いつどこを誰が修正したのかが一目で分かるように、ワードの機能だけではない工夫もあったりしてとてもやりやすい。

双方チェックの量が相当になってくると、修正履歴ばかりでいつ誰が何をしたのかが良く分からなくなってしまう。
難解な文章も手伝って、だんだん売主としてはめんどくさくなったり。
大事なところが思ったようになっていなかったなんていうことになれば大変。

なので、弁護士にチェックしてもらうときには、修正履歴を残して、できればそれが1回目のチェックなのか、2回目のチェックなのかも分かるようにしてもらい、更にはワード機能のコメントを使うのではなく、文章内にそのままコメントを残してもらうと、とても分かりやすくなる。
是非弁護士にはそのようにお伝え頂きたい。

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