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経営コンサルタント業の倒産数が過去最多、経営のプロなのに?

経営コンサルタント業が「経営のプロ」なのに過去最多破綻と紹介する記事がここ数日たくさん出ていた。
これは的外れだと思っていて、理由は2つ。

まず、経営コンサルタント業は経営のプロではない。
当人たちも、恐らく自身を経営のプロと思ってる人は殆どいないのでは。

コンサルタントは相談に乗る人の意味。
経営の相談に乗るんだから経営のプロでしょうって思うなら、それは飛躍しすぎだ。
友達の恋愛相談に乗るあなたは恋愛のプロなのかと。
相談に乗れるとは、経験値があったり、聴く力に長けていたり、ということであって、その分野のプロというわけではない。

2つ目としては、「経営コンサルタント業」という業種分類が曖昧であること。
例えば私はM&Aの仲介業をしているが、業種選択が求められる場面でM&Aという言葉は見当たらない。
うちは分類すると何業なんだ?
選択肢が少ない時はサービス業とするときもあるし、もう少し分類が細かいとそれこそ経営コンサルタント業を選ぶことも。

なので、経営コンサルをやっていなくても、当てはまる選択肢がないので経営コンサルタント業を選んでいるだけの会社も少なくないはず。

あるいは、経営コンサルというのは包括的な言葉で、実際にはマッキンゼーなどのいわゆる戦略系コンサル、アクセンチュアなどのシステムコンサル、その他人材系とか色々ある。
経営者はその全部を見るけれども、この人たちはその分野におけるプロであって経営全体を見れるわけではない。
会社が破綻するかどうかはキャッシュフロー次第だが、資金調達なんかはこの人たちに聞いても恐らく分からないだろう。

もちろん、経営全般の相談に乗れる、経営のプロと言って差し支えの無い経営コンサルもある。
ただそれは「経営コンサルタント業」という分類の中で見ると、恐らくかなり少ない。
2024年に154件が倒産し、過去最多になったということだが、その各社を見てみれば、どこが経営コンサルやねん、みたいな会社ばかりだと思う。
それは決してその会社たちが、見栄を張っていた訳でもなく、ただ分類として当てはまるものがないので、曖昧な経営コンサルタント業というのを選んだだけでしょう。

経営のプロというのならば、最も近しいのはプロ経営者だと思う。
名前の通りだし、経営それ自体を職業としている。
経営のプロになりたい方は、プロ経営者を目指すのが正しいかと。

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