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【特集】現代に「ファラオ」が存在!? 蘇る古代宗教の数々

はじめに

 中東に位置するイラクとシリアを中心に活動する、イスラーム過激派組織「ISIL」。その最高指導者であるバグダーディーが2014年6月に「カリフ」を自称したことは記憶に新しかろう。バグダーディーは2019年に殺害されたものの、翌2020年にはアフリカ大陸南部に位置するモザンビークの北部において、謎のイスラーム過激派組織が「カリフ制国家の樹立」という目標を宣言した。

 話は変わるが、第二バチカン公会議以降、我こそが正当なローマ教皇だと主張する人物が世界各地に出現した。歴史用語でいうところの「対立教皇」である。その中でも、独自の「教皇」を擁する大規模なカトリック系カルト教団が現代スペインにあることは特筆に値する。

 日本においても、現皇室はすり替えられた明治天皇の子孫であり偽物だとして、自分こそが正統な天皇であることを主張する輩が複数いる。どこからどう見ても完全な「陰謀論」であり、全くオススメはしないが、もし詳しく知りたければ落合莞爾の「落合秘史」シリーズあたりにでも目を通しておくとよいだろう。

 イギリスでも日本と同様に、ジョセフ・グレゴリー・ハレット(Joseph Gregory Hallett)なる男を真のイングランド王「ジョン3世(John lll)」だと信じてしまった頭のイカれた陰謀論者が少なからず存在する。

 インターネットを駆使すれば、世界の「カリフ」「教皇」「天皇」などを称する奇妙な人たちがこのようにいろいろと見つかるものである。広い世界には、古代エジプトの君主「ファラオ」の継承者を名乗って古代エジプトの神々を祀っている新興宗教の教祖もいるようだ――。

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冥界の神オシリスの壁画

現代に蘇った「ファラオ」とエジプト神話信仰

 エジプトの支配者として「ファラオ」の君主号を有した歴史上最後の人物は、ローマ皇帝マクシミヌス・ダイア(在位:308年~313年)である。歴代のローマ皇帝を除外するならば、歴史上最後のファラオは、プトレマイオス15世(在位:紀元前44年~紀元前30年)ということになる。実に2000年以上も前の人物だ。

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