苦難を生き抜く少年の成長物語!山本有三の『路傍の石』②
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10月第1作目には、山本有三の小説、『路傍の石』を取り上げます。
『路傍の石』は、極貧の家に生まれた主人公の愛川吾一が、様々な苦難・困難を経て経済的・精神的に自立した人間になろうと努力し続ける成長小説です。
1937年頃から朝日新聞に連載されるなど、注目を集めていましたが、戦争期の時代背景により、当局からストーリーに干渉され、未完に終わる、という形の珍しい小説でもあります。
『路傍の石』――苦難に負けず、自分の人生を生き抜く少年の成長物語
山本有三(1887~1974)
【書き出し】
そのとき、吾一は学校から帰ったばかりだった。
はかまをぬいでいるところへ、おとっつぁんが、ひょっこり帰ってきた。
おとっつぁんは、彼に銅貨を一つ渡して、焼きイモを買ってこいと言った。
よっぽど腹がすいているらしく、いやにせかせかしていた。
【名言】
【あらすじ】(後編)
そんなある日、下宿人の黒田からポンチ絵をもらう。
そこには、吾一の顔をしたダルマが描かれ、「ダルマさん、お足をお出し。自分の足で歩いてごらん」とあった。
その後、下宿を追い出されるが、なんとか食いつないでいるなかで、黒田と再会。
黒田は「艱難なんじを玉にす」と吾一を励まし、印刷所で働くための保証人になってくれた。
はじめは雑用ばかりで辛抱の日々だったが、そこで、東京で教師をしながら物書きになっていた元担任の次野と再会する。
次野は、「私が月謝を出すから夜学の商業学校へ通わないか」と吾一に勧めた。
喜ぶ吾一を見て次野は、黒川から吾一への学資として預かった大金を、妻の治療代などに使ってしまったことを打ち明けた。
正直に謝る次野に、吾一は恨む気持ちがないことを伝える。
すると、感激した次野は、「吾一って名まえに対して、恥ずかしくないように、生きなくっちゃいかんぞ」と涙ながらに訴えた。
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