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今さら聞けないイスラエル・パレスチナ問題
いつも記事をお読み下さり、ありがとうございます!
今回は挑戦企画として、今大問題になっているイスラエルとパレスチナについて、初歩的なポイントをご紹介したいと思います。
そもそもイスラエルどうしたの?ハマスって何?でも聞きづらい……という方にも、分かりやすくご説明してみようと思います!
イスラエルとパレスチナって?
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イスラエルとパレスチナにおける現在の状態がこちらの地図(主に右側)になります。
地中海の東の端にある地域(左の地図のオレンジの地域)を、昔からパレスチナと呼んでいました。
元々、パレスチナとは土地の名称だったわけです。
パレスチナの地には、約2000年ほど前まで、ユダヤ教を信じるユダヤの王国がありました。
ところが、ローマ帝国によって、このユダヤ王国は滅ぼされてしまいます。
この時から、ユダヤ人は世界に散り散りになり(ディアスポラ)、2000年もの間、迫害の歴史を辿ることになります。
ユダヤ人たちは、いつの日かもう一度ユダヤ人の国を建国することを悲願としてきました。
一方、ディアスポラでユダヤ人がいなくなった後のパレスチナの地には、アラブ人(イスラム教徒)、今でいうパレスチナ人が住むことになりました。
19世紀ごろ、かつてユダヤの王国にあったパレスチナの地に戻って、もう一度国を作ろう!という運動がユダヤ人の中で起こります(シオニズム運動)。
このパレスチナ地域に、1948年、ユダヤ人の国として新たに建国されたのがイスラエル(右の地図の黄色い地域)です。
その後は、パレスチナ人の国家に将来的になりたい地域(東エルサレム・ヨルダン川西岸・ガザ地区)を総称して、「パレスチナ」と呼んでいます(右側の地図のオレンジの地域)。
イスラエルの建国を発端として、パレスチナ人との対立が続いており、これをパレスチナ問題といいます。
イスラエルとパレスチナ、両方とも共存できれば良いのに、お互いが自分の国があるべき場所だ!と思っているので、そうもいかないのですね。
イスラエルには、3大宗教の聖地・エルサレムがある
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イスラエルには、有名なエルサレムという都市があります。
エルサレムにはなんと、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のそれぞれの聖地があり、宗教的にも重要な地域です。
たとえば、エルサレムの旧市街には「嘆きの壁」というユダヤ教の聖地があります。
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嘆きの壁の上の神殿の丘には、「岩のドーム」というイスラム教の聖地があります。
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同じ構造物の壁と天井が、ユダヤ教の聖地とイスラム教の聖地として存在している状態なのです。
そして、エルサレムとは、キリスト教にとっては、イエス・キリストが処刑され、復活した聖地。
3大宗教の聖地がそれぞれ、同じエルサレムにある……!
これだけでも、世界的に揉めそうな可能性のある土地であることは分かりますよね。
イギリスの三枚舌外交
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第一次世界大戦時。
イギリスが大変困る八方美人の約束をしてしまい、中東地域の混乱にさらに拍車をかけてしまいます。
イギリスはユダヤ人に対し、「ユダヤ人の国家建設を支持する」と約束。
ユダヤ人の財閥、ロスチャイルド家から資金を援助してもらうためでした。
一方、イギリスは、アラブ人にも「オスマン帝国と戦えば独立国家を作る」と約束。
当時、パレスチナを含むアラブ地方を統治していたオスマン帝国を切り崩すためでした。
さらにフランスとは、この地域を山分けする密約を結んでいたといいます。
これが歴史に悪名高い、イギリスの「三枚舌外交」です。
…後で問題になるのに、どうしてこんなその場しのぎの約束をしてしまったのでしょうね。
イスラエル建国
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イギリスの三枚舌外交により、結局、オスマン帝国の地はイギリスとフランスに山分けされてしまいました。
しかし、ユダヤ人はユダヤ人で、パレスチナの地に移り住む動きを進めます。
ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害(ホロコースト・約600万人が殺害)が最後の決め手で、ユダヤ人に国を作ってあげよう!という気運が国際的にも高まります。
1947年には、国連にてパレスチナ分割決議が採択。
「パレスチナの地を、ユダヤ人とアラブ人の2国に分割し、エルサレムは国際管理下に置く。」
という決議がなされます。
翌年1948年にイスラエル建国宣言。
パレスチナ側は勝手に国を作られた、と反発し、その後の中東戦争に繋がっていきます。
なんと、建国の翌日には、怒ったアラブ諸国がイスラエルに攻め込み、第一次中東戦争が始まりました。
四度の中東戦争
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建国当初は被害者側だったイスラエルですが、徐々に力を強め、強大な権力国として君臨するようになりました。
1967年、第三次中東戦争後には、イスラエルは実質的に、パレスチナと呼ばれている地域のすべてを統治下に置きます。
国際法上認められてないところまで占領したといえます。
現在の問題は、この時のイスラエルとパレスチナの問題から続いていて、いまだに和平合意に達していません。
25年間で4回の中東戦争がありましたが、毎回イスラエル側が圧勝。
ユダヤ系とのつながりの深いアメリカの支援の元、世界最強国なのではないか、とも言われています。
パレスチナはというと、1993年の和平合意(オスロ合意)により、パレスチナ暫定自治政府が樹立しました。
しかし、現在では事実上和平合意は崩壊し、イスラエル軍による空爆や、過激派組織によるテロが頻発する地域となっています。
2つの民族の悲劇
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どうにも争いが終わりそうもない、イスラエルとパレスチナの問題。
両者ともに、歴史的にも民族的にも譲れない想いがあるためにぶつかっています。
2つの民族の悲劇をおさらいしておきます。
①ユダヤ人迫害の歴史
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ユダヤ人は国を滅ぼされた後、約2000年に渡り、世界に散らばって迫害を受けました。
第二次世界大戦後、やっと「イスラエル」という自分たちの国を得たので、二度と迫害される歴史に戻りたくない、と思っています。
②パレスチナ人の悲劇
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パレスチナの地で暮らしていた70万人が、イスラエル建国により故郷を追われています。
元々住んでいた場所に、ある日突然、昔の住人がやってきて追い出されてしまった、というような気分でしょう。
現在、パレスチナ人が住んでいるのはヨルダン川西岸とガザ地区です。
正式な国にはなれないまま、権勢を拡大したイスラエルの占領下にあります。
ガザ地区には、日本の種子島ほどの面積に約200万人が住んでいます。
人口密度が高く、人や物資の厳しい封鎖が続いており、「天井のない監獄」と呼ばれています。
ハマスって?
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ハマスはイスラムの教えを厳格に守ろうという武装組織で、ガザ地区を中心にパレスチナの解放を訴えています。
2007年からガザ地区を独占支配するようになりました。
現在は、イスラエルの破壊と、その後のイスラム国家の樹立を目標としており、西側諸国からは、テロ組織認定されています。
現在にいたるまで、
〈ハマス〉
ガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾を撃つ
↓
〈イスラエル〉
報復として空爆
の繰り返しです。
現在の戦闘はどうなる?
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10月7日の早朝、突如として始まった、ハマスのイスラエルへの攻撃。
かつてないほど深刻で、戦争状態に入ったと言われています。
今回、ハマスによる大規模な攻撃がイスラエル側に多くの死傷者を出しています。
一方で、イスラエルによる占領やガザ地区の封鎖が、今回の悲劇を招いたというのも事実です。
イスラエル側も、繰り返しハマスを空爆してきました。
そして水面下にはもちろん、ウクライナ問題と繋がっていて、様々な思惑があるのは間違いないでしょう。
(意図的にハマスに武器支援をした国があるのでは。最強国イスラエルが前もって攻撃を防げないのはおかしい、などの意見も出ています)
イスラエル・パレスチナの問題は、2000年に渡る問題が続いている根深いものです。
宗教対立なので、現地の人々にとっては、日本人の我々には理解できないレベルで深刻なもの。
どちらもそれぞれの信念に基づいており、自分たちこそが正しいと思っているので、解決不能かもしれません。
究極の解決方法は、お互いの宗教への理解ですが、多分それは無理かも……。
ハルマゲドンに向かってしまうのか、要注目です。
以上、分かりやすく解説しようと努めてみました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
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