西洋と東洋、その先の日本
西洋と東洋とでは根本的な成り立ちが違う。
西洋は神によって世界が作られたが、東洋は混沌の中から形が生まれた。
契約は西洋にとって無くてはならないものであり、人と神との契約に基づくものだ。対して東洋では、自然の摂理に従うことを重視する。その自然の摂理を理解しようと易経や占いの類が生まれた。
そして、日本において陰陽五行となり完成した。
狩猟や移動民族にとっては、約束の地を求め神の導きによって行動が決まるが、農耕民族にとっては、そこでの生活が何より重要だ。
四季の巡り、自然の猛威、天候、気候など自然界のルールに合わせた生活が重要となる。
東洋では、自然との共生を重視し、西洋では、自分たちの幸せを追い求める事を重視した。
そもそも、出発点のライフスタイルが異なるから、思想も異なる。
そして、それが宗教にも大きく影響してくる。
イスラム圏やインドはまた別の価値観であるが、ライフスタイルが異なるから思想も異なる事は全世界共通だ。
はじめに考え方が異なるわけではない。
同じ人間なのだから、生活習慣が異なるから思想が異なってくるだけの話だ。
昔、狼に育てられた少女がいた。
彼女は、狼となって生活していたため、人間に発見され保護されてから程なく死んだ。
人は、ライフスタイルによって人でなくなる。
ライフスタイルは、その地に行けば理にかなっていることばかりだ。
そして、そのライフスタイルから生まれたものが思想や宗教となる。
もともと、思想や宗教がはじめにあったわけではない。
そこで生活していく中で、次第に生まれていったものが思想や宗教だ。
しかし、現在では思想や宗教から議論が入る。
西洋的なものを拝し、東洋的なものを廃する日本がその典型ではないだろうか?
ライフスタイルが西洋化した結果、我々日本人も実は西洋人になってしまっている。
そして、その事に気づいている人は少ない。
特に学校では、その事をひた隠しにし教えてない。
高校生ぐらいになれば、自分は西洋人だと勘違いしてしまう。
英語も満足に話せない癖にだ。
日本人の英語教育は、話せないように仕組まれているから学校で勉強しても話せない。
この話は、今回の本筋とは異なるので別の機会に譲る。
西洋と東洋は1600年周期で入れ替わる。
800年間の隆盛があり、その後取って代わられる。
(詳しくは「文明と経済の衝突」村山節 著 1999年 初版)
2012年以降、状況は大きく変わってきている。
2011年の東日本大震災は、そのきっかけに過ぎない。
日本人を覚醒させるための予兆に過ぎなかった。
日本は、極東と呼ばれるが、極東とは西洋との境でもある。
我々日本人は、その両方を受け入れられる環境にある。
西洋的なもの、東洋的なものではなく、日本的なものが必要とされる時代が来た。