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2つ目の試練

1つ目の試練のとき、クレームが起こった要因や対応などに問題が合ったことなど話をした。そして、彼女からはこちらの言い方について指摘された。
傷つく言い方をされると。

言い方に傷ついたのであれば、それは謝罪すべきだと思い、素直に謝った。
その後は、いつもどおりの関係に戻っていった。

彼女とは、色々なところに旅行した。東日本はだいたい行っただろうか。とにかく、一緒にいると楽しい。

フィーリングが合うというか、とても楽に過ごせる。好きなものもだいたい似かよっていて、食の好みも同じだ。

高級料理とかではなく、安くても美味しいものが好きだったり、居酒屋料理が好きだったり。焼き鳥も好きだ。それと、ラーメン。

週末デートは、人目を避けてランチをしたあとにラブホテルでしっぽりと過ごす。夕方ごろにホテルを出て、夕食を済ませて帰宅する。

そんな感じのルーティーンになっていた。

好きな人と一緒にいれれば、それでいいというところもあり、彼女がインドア派ということもあって、室内で過ごせる環境としてはとても良かった。

新たな試練

3年目を過ぎた頃だろうか。新たな試練があった。

今度は、客先での出来事だった。いつも通り同行して打ち合わせをしていたとき、前回の打ち合わせで顧客に見積もりを提出する予定で話が進んでいたが、その見積もりをすっかり忘れてしまっていたようだった。

そのことを、その場で指摘した。

あとになって、彼女から激おこのLINEが来た。

全て私が準備して、色々と手配して、その中でたまたま見積もりを忘れてしまったのに、あの言い方はない!と。

僕は、ようやく仕事が出来るようになって来たから、すべてを任せていた。

そして、ミスもだいぶ減ってきていたので、彼女にしては珍しいと感じて、指摘したのだった。

普通のことだと思っていたが、彼女は、そのことがとても気に入らなかったらしく、大激怒だった。

ただ、客観的に考えても自分のミスを指摘されて逆ギレするような状況なので、流石にそこはこちらも引かなかった。

最終的に「立場が違う!」とまで言ってしまった。

その一言に対して、彼女はすごくショックを受けたようだった。少し冷静になり、こちらも言い過ぎたことを反省し、言い過ぎたことを謝罪した。

この一件でも和解し、また同じような仲の良い関係性になっていった。そして、いつもどおりの日常に戻っていった。

ただ、この件では今後のことを少し考えざるを得なかった。彼女とこのままの関係ではいられないだろうということ。

彼女が仕事上でより戦力化していくと、僕との結婚は難しくなっていくということ。なぜなら、出産や育児などを考慮すると、1年以上働けなくなる期間が出てくるということだ。彼女の仕事上の成長が、僕との関係を遠のかせてしまう・・・。

・・・そもそも、僕と結婚したいのだろうか?

解決策

とりあえず、僕と結婚する前提として、考えてみた。そして、新卒でもう一人採用することにした。事業部の売上利益も拡大していたため、採用に関してはすぐに承認された。

募集をかけたところ、すぐに見つかった。また、女の子だったがいい大学を出て、優秀そうだった。彼女の後釜として十分だろうと思った。

新入社員の女の子が入社後は、僕が教育担当のため研修期間中、彼女との営業同行は減った。そして、新入社員の女の子の研修期間が終わり、配属した結果、3人で同行することが増えた。

僕の想定では、どちらかと同行して、いつもツーマンセルで動ければと思っていたが、彼女が新卒の女の子と僕とあわせて3人でのスケジュールを組んでいったのだ。
彼女はまだ、独り立ちするには早いと感じていたのかもしれない。不安があったがそれを口には出せず、このような状況を作ってしまったのかもしれない。

しかし、それではいつまで立っても独り立ち出来ず、僕を当てにしないと営業出来ない半人前になってしまう。彼女の甘えは見え隠れしているのはよくわかっていたが、あくまでもここは彼女の成長を願って距離を置くようにした。


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中江兆史
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