幻想から抜け出せない大人たちへ
昔は良かった
勉強して、いい大学に入って、役所もしくは、いい会社就職して・・・
それが、日本における成功への道。
それを信じてやまない人たちが非常に多い。
国を形作るのはヒエラルキーによる社会統制だ。
そうしないと国として存在できない。国家というものは主義主張は変われども、数千年前からその様式は変わっていない。
人のあり方そのものが変わらない限り、国家のあり方も変わらないだろう。
しかし、日本においては1億総中流社会と言われた時代があった。
国民の意識が中流階層だった時代、日本は行動経済成長期の真っ只中で明るい未来しかなかった。
銀行金利も年利6%という高水準で、株価もうなぎのぼり。
景気が落ち込む時期もあったが、それでも一過性のものとしてGDP成長率が10%を超える時代。
昔と今は違う
その後日本のGDPは、1988年をピークに年々下がり続け1993年には-0.52%となり、リーマンショックのあった2009年には-5.42%という成長しているどころか、衰退している状況になっている。
それにも関わらず、総中流社会の名残りが文化面や教育面で根強く、子どもたちもそうした教育を受け社会に出てくる。
しかし、大きくなるにつれ、大人たちが言っていることに違和感を覚え、荒廃した日本の現実を目の当たりにすると、無気力になったり、自暴自棄になったりしてしまう。
それが、今の日本の有様だ。
数字は嘘はつかないが、数字を扱う人は嘘を付く
しかし、それでもなお国に未来があると示さなければならないトップたちは、金融資本主義の数字を見せつけ国の安寧を訴える。
金融資本主義と実体経済はここ20年で大きく乖離してしまっている事実をひた隠しにしながら、株価が上がったことで景気が良くなるという見解を示す。
数字は嘘はつかないが、見せ方次第で伝える内容を歪曲さることが出来る。
その歪曲した情報を受け取る哀れな子羊たちは、せっせと奴隷をを育て上げる。
それに気づいた子供は仕事を放棄し、社会から確立した生き方を選ぶ。
親たちは、自分の価値観の間違いにすら気づかない。
どこで間違ったかがすでにわからない所まで来てしまっている。
日本人は働かなくなった
日本でうまくいきていくためには弱者でいることだ。
そうすれば、国から補助を受けられ仕事をしなくても生活が出来る。
失われた労働力を外国から動員し、日本人の代わりに働かせている。
完全失業率が2.4%にもかかわらず、有効求人倍率が1.59倍などという数字が物語っている。
それでもなお、自分たちは中流階層と言えるのだろうか?
それを維持することが、今の世の中とても困難を伴うことから目をそらしている。
仕事で成果を上げずして給与がもらえる世の中になっている。
それが、ますます国力を低下させていく。
いい大学に入って、いい会社に入れば、給与もたくさんもらえて、休みもたくさんあって・・・
本当になりたい仕事なの?
国家公務員には働き方改革は適用されていない。
子供を官僚にしたがる親は、エリート志向が強いか、何も知らないかのどちらかだ。
親の期待や言うことをちゃんと聞いて大人になってみれば、伝え聞いてきたものと全く違う現実がその人を襲う。それに耐えられなくなった人は、脱落する。Dead or Alive
そこにたどり着いてそしてそこで生き抜くためには、より過酷な競争社会を生き抜いていかなければならない。常に競争がつきまとう世の中なのだ。
スポーツ選手はそのスポーツが好きだから続けられるだろうが、官僚はどうだろう?
昔から官僚の仕事が好きでなる人はいない。
親が大工で、自分も大工になりたくて、大工をやっている人は幸せだ。
たとえ大変な時期があっても、好きなこと、やりたいことだから耐えられる。そして乗り越えられる。
実家がスーパーで、小さい頃から客商売を目にしていた人が、ネットショップと通販をしている。
今の時代のやり方に則りうまくやっている。
親がサラリーマンで、毎日つらそうに仕事をして、それでも親と同じような生き方を子供にさせるのは、いかがなものか?子供にとって幸せなのだろうか?
現在、日本の中流階級は年収500万円以上
年収400万円以下の日本人が60%以上。中流階層と言われる生活に必要な年収は500万円以上だ。
大学進学率が50%を超え過去最高になっているが、大学卒業後に幸せな人生が無いとわかっていれば、大学卒業までの教育費1,000〜2,000万円を投資するだろうか?
老後、2,000万円足りなくなる。
年収400万円以下の生活だと、1,000万円〜2,000万円の出費はできない。
順調に公立のみで大学を卒業しても700万円はかかる。
そうした家庭のために教育ローンがある。奨学金制度などというが、おこがましい。
高利な教育ローンだ。返済期間が20年と長くその間1万円〜3万円を毎月払っていくことになる。
そのことも考慮すると、大学に行って借金を増やすだけということも十分想定できる。
日本に未来がないと思ってしまうのも仕方がない。
しかし、そうした現実から目をそらし、未だに幻想を抱いている大人たちが非常に多い。
我々は中流階層などではない、6割が貧困層なのだ。
その認識を誤ってはならない。