消費税の納税
今回は消費税の納税について解説していきます
ポイントは以下の通りです
課税事業者と免税事業者の2種類がいる
ボーダーラインは1,000万円
一定の課税事業者は簡易課税制度が使える
1,000万円あるなら納税
まず、納税義務者と免税事業者のの基本的な違いは
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えているかどうか?です
基準期間とは、
納税義務があるかどうかを判定するための期間のこと
個人場合は前々年、法人の場合は前々事業年度が基準期間となる
ここで注意しなければならないのは
前々年に1,000万円を超えていなかったとしても、前年の前半6ヵ月間で売上や支払い給与が1,000万円を超えている場合は納税義務者となります
この前年の前半6ヵ月間(法人の場合は前事業年度の前半6ヵ月)のことを特定期間といいます
特定期間に売上と支払い給与のどちらも1,000万円を超えている場合は納税しなければなりません
問題文でよく引っ掛けてくる部分となりますので注意しましょう
新規開業は基準期間がない
次に、新規開業の場合です
新規開業では前々年や前々事業年度が存在しないので最初の2年間は免税事業者となります
ただし、1,000万円以上の資本金で開業した法人は免税事業者になりません
ここでも1,000万円がボーダーラインとなります
また、新規開業の場合でも
1年目の前半6ヵ月間で売上や支払い給与が1,000万円を超えた場合は、2年目は課税事業者となります
5,000万円以下なら簡易課税制度が使える
次に納税額の計算方法についてです
消費税では2種類の計算方法があります
原則課税
原則課税は売上に係る消費税額から仕入れに係る消費税額を引いた金額が納付税額となります
パン屋さんで例えると、
パンを売った時にお客さんから消費税を受け取りますよね?それが売上に係る消費税額です
そして、パンを作るには小麦粉やバターなどの材料を仕入れます
その時にパン屋さんが消費税を支払っていますよね?それが仕入れに係る消費税額です
つまり、受け取った消費税から支払った消費税を引いた金額が納付税額となります
それをパン屋さんが計算して納税することになります
これが原則課税です
納付税額 = 売上に係る消費税額 ー 仕入れに係る消費税額
簡易課税制度
一方、簡易課税制度は″簡易″とあるように原則課税よりも簡単な計算となっています
ポイントはみなし仕入れ率という割合を使う、ということです
みなし仕入れ率は業種ごと6つに分けられています
みなし仕入れ率
このみなし仕入れ率を使って仕入れに係る消費税額を計算しよう、というのが簡易課税制度です
先ほどのパン屋さんの例のように、
仕入れにかかった消費税がいくらなのかを計算するとなると、支払った消費税をすべて合算しておかなければならないので結構な手間がかかりますよね
そこで、
「売上の消費税額がこれくらいなら、仕入れの分はこれくらいじゃない?」
と簡単に計算する方法が簡易課税制度です
原則課税の「仕入れに係る消費税額」の部分が
受け取った消費税にみなし仕入れ率を掛けた金額に置き換えとなります