債権の利回り
今回は債権の利回りについて解説します
利回りを求める問題は必ずと言っていいほど出題されますので確実に解けるようにしていきましょう
計算方法のコツ
まず、テキストを見ると数パターンの計算式が載っていますよね
「分数の上に分数?」
「無理!おぼえられない!」
と思う方も多いと思います
では、どうやったらおぼえらるのか?
結論から言うと、
電卓の打ち方をおぼえるのです
テキストに載っているすべての式をおぼえる必要はありませんし、一度おぼえてしまえば忘れることはありません
電卓の打ち方
売値 ー 買値 ÷ 年数 + 利率 ÷ 買値 × 100
売値とは、売った(または売る予定の)値段
※償還まで保有した場合は額面価格買値とは、買った(または買う予定の)値段
※発行時に購入した場合は発行価格年数とは、保有していた(または保有する予定の)年数
※発行から償還まで保有する場合は償還期間利率とは、問題文にある表面利率
気を付けるのは、この式の通りに左から順番に電卓を打っていくということです
通常の計算方法のように、×や÷から計算するわけではありません
この通りに電卓を打っていけばいいよ!という方法です
問題によって様々なパターンがありますので、まずは問題文をよく読んでください
そして、売値・買値・年数・利率の4つの数字を正確に選び、上の式に当てはめるだけです
とはいえ式は長いので、前半3つと後半3つに分けておぼえる方が良いでしょう
売値から買値を引いて年数で割る
利率を足して買値で割る、最後にかける100をする
買値は2回出てきますので注意です
最初は戸惑うかもしれませんが、一度おぼえてしまえば難なく解くことができるようになります
問題を繰り返し解くということが大切です
ではここで例題を見ていきましょう
例題
表面利率:年1.3%
額面:100万円
購入価格:額面100円につき100.00円
売却価格:額面100円につき103.00円
所有期間:7年
この場合、
売値は103円、買値は100円、年数は7年、利率は1.3%となりますので計算式は以下のようになります
103 - 100 ÷ 7 + 1.3 ÷ 100 × 100
左から順番にというのを忘れないでくださいね
電卓を打つと「1.728571…」となります
問題文には必ず小数点以下第〇位を四捨五入する、切り捨てる、など計算方法の指示がありますので、よく読んで指示通りに計算してください
ここで利回りの種類と解説画像を見ていきましょう
利回りの種類は4つ
応募者利回り
最終利回り
所有者利回り
直接利回り
直接利回りだけは別物となりますが(後ほど解説します)残りの3つは同じやり方で解けます
テキストにはそれぞれの計算方法が書いてあったかもしれませんが、電卓の打ち方はすべて同じです
債券には発行から償還までの期間があり、途中で買ったり売ったりすることもできます
最初から最後まで保有する場合は応募者利回り
途中で購入し最後まで保有する場合は最終利回り
途中で売却する場合は所有者利回り
つまり、
最終利回りは?と聞かれた場合の売値は「額面価格」となります
額面とは
債権が償還(満期)を迎えたときに受け取れる金額のこと
債券=借金なので、発行時に〇円で買ういうことは「お金を貸す」ということ
利率が〇%とは「貸してるあいだは〇%の利子がもらえる」ということ
〇円で償還とは「貸したお金が〇円で返ってくる」ということ
また、問題文に「発行時に購入し…」とあった場合の買値は発行価格となります
期間について「償還期間〇年の…」とあっても大事なのは所有した期間は何年か?ということです
問題文をよく読んで年数を選んでください
ではもう1つ例題を見ていきましょう
例題
表面利率0.7%、償還期間10年の固定利付債権が額面100円当たり100円で発行された。
発行から3年後に額面100円当たり102円で購入した場合の単利最終利回りを計算しなさい。
回答は%単位で小数点以下第3位を四捨五入すること。
まず売値は「最終利回り」なので額面価格の100円となります
買値は「102円で購入した」とありますので102円です
年数は償還期間が10年で3年後に購入していますので保有期間は7年となります
利率はそのまま0.7%です
先ほどの式に当てはめると
100ー102÷7+0.7÷102×100=0.4061…となります
小数点以下第3位を四捨五入すると答えは「0.41」となります
直接利回り
最後に直接利回りについてです
直接利回りとは
購入金額に対して毎年いくらの利息があるか?
計算式「 利率 ÷ 買値 × 100 」
これが意外とおぼえにくいのですが、出題頻度としては先述の3つの方が断然高いので、まずは3パターンを攻略できる電卓の打ち方をマスターして、余力がある人は直接利回りもおぼえると良いと思いますよ
繰り返し確認しよう!
今回の解説は以上となります
スキマ時間に解説画像を何度も確認することをお勧めします
頭の中でイメージできるようになれば、試験でも落ち着いて解くことができますよ!