TKAの器械出しをする前に...
『TKAの器械出しをする前に...』と題して、TKAの器械出しをする前に真っ先に知っておくべきことをシリーズ化してまとめていこうと思います。
最初の記事でまず僕が言いたいのは『インプラントを見ろ!!』です。
これは僕が整形外科領域の教育で何度も言い続けてきたことなんですけど、インプラントを知らずして手術手順や器械出しがスムーズに覚えられるなんてことはありません。
インプラントを知らずして手順書やマニュアルで学習を始めると言うのは、どんな絵ができあがるかを知らないままジグソーパズルを組み立てるようなもの。完成形を知らないので、パズルの形だけを頼りに組み立てなければなりません。要するに、手掛かりが少ないんですね。
しかし、もし完成形の絵を知っていたなら...。
形に加えてパズルに書かれている絵や柄が頼りになるので、ひとつひとつがどう組み合わさるのかが予測しやすくなります。
TKAの器械出しも同じです。インプラントの形や設置された後の最終形態は、いわば器械出しのゴールです。ゴールを知った上で手順書やマニュアルをもとにゴールへと近づいていくのと、ゴールを知らないまま手順書やマニュアルを読み漁るのとでは、理解度とスピードは全く異なります。
これはTKAに限らず手術全般に言えることで、プレート固定にしても創外固定にしても、PDや肝門部胆管癌の再建にしても、小児心臓のジャテーン、グレン、フォンタンにしても、完成形を知らずして学習を始めるのはかなりの遠回りです。
インプラントを設置する手術ではまず、
インプラントの形
インプラントがどのように設置されるか
この2つをしっかりと観察してください。
手順書を開くのはその後です。