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TKAにおける膝のバランス

TKAではよく、「バランス」という言葉が使われます。特に最近ではナビゲーションやロボットを用いた手術も増えてきたので、「バランス」を聞く機会も多くなってきました。

TKAにおいてバランスは、「膝のバランスが良い・悪い」といった感じで使われ、主に膝関節の軟部組織バランスを指す言葉です。

バランスの良い膝とは、伸展においても屈曲においても良好な可動域が得られ、かつ一定の安定性(Stability)がある状態。

これに対してバランスの悪い膝とは、伸びない・曲がらないといった可動域の悪い状態や、可動域は得られるものの緩くて不安定な状態を指します。

可動域の悪い膝は患者自身が術後の日常生活で不自由を感じます。また、緩く不安定な膝はインプラントの緩みにつながり、ポリエチレンインサートの摩耗やインプラント破損につながります。

このようにTKAでは、ただ骨切りをしてインプラントを挿入するだけでなく、軟部組織を整えて「バランスの良い膝」をつくることも手術の目標の一つなのです。

器械出しは骨切りばかりに目を向けてしまいがちです。しかし、術中には何度もバランスの指標となる「ギャップ」を確認して、少しずつ靭帯や後方関節包のリリースを行うといった「軟部組織を整える」作業も頻繁に行われます。

今回の記事では、膝関節のバランスとは何なのか、バランスを表す指標として用いられるギャップとは何なのか、ギャップを整えるためにどのような器械が用いられるのかを説明しています。

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