M先輩のこと
こんにちは。
「誰も知らない時代劇作家」ナカるん♪です。
皆さま、お元気でいらっしゃいますか?
ナカるん♪は、文学フリマが終わって、ちょっと気が抜けて、
先々月からはじめた、事務のパートの簿記の勉強を頑張っています。
けれど、難しくて・・・。
大変です。(^^;)
もっと、若い頃にやっておけばよかったと反省しております。
さて、今日は、学生時代の先輩だった、Mさんの事を書いてみたいと思います。
Mさんは、学生時代、二個上の先輩だったのですが、私達の通った学校は、専門学校だったので、社会人経験をしてから入った人も多かったのです。
かくゆう私もそのひとり。
なので、同級生たちとは、五歳も年の差があり・・・なので、M先輩も先輩とは言っておりますが、私よりも年下なのでした。
このMさんは、変わった人で、学年が上のくせに、なにかと私たちのクラスに入り浸っておりました。
そして、独特のおねぇキャラで、周りを攪乱。
人気者でもあり、ウザがられても居ました。
この方は、寂しがり屋なのですが、毒舌をモットーとしており、
度々暴言を吐いたりもしていました。
相手の弱いところをいち早く見抜き、それをくどくどくどくど・・・言い募るので、その言葉の刃は、まだ若い学生たちの心を打ち砕くには充分でした。
なので、嫌われてもおりました。(本音言うと・・・はい)
ちょっとあちらの世界にも通じるようなところがあり(霊感があった?)、
人の本質を見抜くので、女子学生には人気がありました。
私も一度見て貰ったのですが、
私の事は、「う~ん・・・」と言ったっきり、押し黙り、
最後にぽつんと言ったのは、
「木」でした。
人を花にたとえて言っていたのですが、私は、「花」ですらなく、
「木」と言われました。しかも「大木」・・・。
まあ、色気は昔からなかったので、当たっているともいえるでしょう。
そんな訳で、自分には霊感があると公言してはばからない人でもありました。
そんなM先輩が、「祈祷師」になったと聞いたのは、卒業してからだいぶたった頃でした。
私は、すでに結婚して、子供もおり、学生時代の事など、すっかり忘れていた頃だったのですが、「さもありなん」と思ったものでした。
少し、神がかっているところがあり、しかも本人も、それを口にして憚らず、それゆえ、周りの人達から少し遠巻きにされていたM先輩が、いつものおねぇキャラで、メディアに出るようになり、私は、ホッとしていました。
「ようやく、陽の目が見れたね」と。
M先輩の夢は、メディアに出る事だったのです。
いわゆる、有名になること。
それゆえ、登場の仕方はどんなものでもよかったはずです。
本人は、役者志望でしたが、なかなかそれだけでは食っていくのは難しかったのです。
先輩は、本を出したり、「祈祷師」の能力をいかんなく発揮して、さまざなスピリチュアルツアーなどを企画していたようです。
「ようです」、というのは、私がそこまで、彼の活躍を後追いしていなかったからです。
私は私で、様々な人生の困難に直面しており、正直、他人の事など、構っている暇なぞなかったのです。
だから、彼は、今でも活躍していると思っていたのです。
ところが、そんな私の下に、友人から、「M先輩が亡くなったみたい・・・」と連絡が入ったのは、かれこれ、半年前くらいの事でしたか・・・。
驚きました。
亡くなってから、すでに、一年半も経っているようで、まったく知りませんでした。
もちろん、それほどの有名人だった訳でもなく、メディアに取り上げられなかったということもあるでしょうが・・・。
それにしても、死後それほど経っていることに、驚きとショックを隠し切れませんでした。
慌てて、ネットで検索すると、「死亡記事」はどこにも出ておらず、ただ、占い師仲間だったような方が追悼記事を出しているだけでした。
それによると・・・どうも言葉を濁しているのですが、
自ら亡くなったように書かれてあって・・・、それもショックでした。
何故?という気持ちの反面、
「ああ、そうかもしれないなぁ・・・」という思いも込み上げてきました。
M先輩は、とても不安定な方でした。
精神面がもろかったのです。
それを隠すための、おねぇキャラであり、毒舌だったのだと私は薄々感じておりました。
他人に迷惑がられてもあのキャラを止めなかったのには、訳があると思っていました。
けれど、それからしばらくしてからの事です。
実は、亡くなったM先輩からフェイスブックの友だち追加申請が、スマホを見る度、表れるようになったのです。
亡くなった人からの友だち申請・・・。
これには困りました。
だって、相手は亡くなっているのですもの。
私は、最初、何かの間違いではないか?と思いました。
まあ、本人が亡くなってもアカウントは生きているので、
機械が勝手に送り付けているのでしょうがね・・・。
しかし、それが、二、三日に一回だったものが、日を追ううちに、
一日に何回も・・・、ひどい時には、朝起きると、すぐに申請され、
お昼にも、夕方にも、夜寝る前にも・・・とだんだんと回数が増えてきました。
一体これはなんなんだ・・・!と思いました。
もしかすると、彼はどこかに生きていて、私に本当に友だち申請してきているのではないか?とまで思いました。
しかし、これが続くと、さすがに、私もおかしいと思わざる負えません。
なので、ある日、ついに私は決意して、彼のフェイスブックを覗くことにしました。
おそる、おそる・・・。
息を殺しながら・・・。
つづく
☆それでは今日もよい一日を。