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美談の裏には・・・真実はいかに?

こんにちは。
「誰も知らない時代劇作家」その名も、ナカるん♪ です。

毎月、地元の南海日日新聞社さんで、エッセイを書かせていただいているのですが、こちらでもシェアさせていただきますね。(^^♪

今回は、新作「おやこしぐれ」にまつわるエピソードです。
なぜ私がこの作品を書こうと思ったのか?
どうやって、この題材を思いついたのか?

など、良く聞かれるのですが、それに答える形となっております。
よければ、ご覧ください。

☆南海日日新聞社様は、コチラになります。


2024年10月17日付け

例によって、見えづらいので、こちらに原稿の方を載せておきますね~。(^O^)/


「美談の裏には…真実はいかに?」 

                                              
 私がその奇妙な本を読んだのは、中学生の時だった。

 当時、私が通っていた中学校の図書室は小さくて、蔵書数も少なかったので、瞬く間に読む本が無くなってしまった。仕方なく普段なら絶対に手を出さないような古い本に手を伸ばした。それは、江戸時代の逸話集で、その中に、こんな話が載っていた。

 ある藩で、子供同士の喧嘩があり、下級武士の子が、家老の息子を斬り殺した。子供なので、藩でも処遇に困ってしまうが、結局、殺した子は切腹を命ぜられた。ところがである。切腹当日、殺された方の親が、藩主に嘆願し、切腹を取りやめさせ、おまけに自分の養子にして跡目を継がせたというのだ。そして、その子は、養親の恩に報い、後に藩の重鎮になったという。

 それを読んだ時、雷に打たれたようになった。常日頃、家老の息子に苛められていた下士の子が、耐えに耐え、仕方なく刀を抜いてしまった。けれど、死を目前にして、自分の気持ちをようやく分かってくれる人が現れ(しかも、それが、相手側の親だなんて!)、さらに、養子にまで迎え入れてくれたとは…なんという美しい物語だろう!

 そこには、人が人を信じる気持ちや、相手を思いやる心に満ちていた。息子を殺された家老は、「うちの息子が悪かった」と非を認めまでしたのだ。その人間的な度量の大きさに圧倒され、その後の授業もボーッとして、身が入らなかったくらいだった。
 
 以来、この物語は、私の中で生き続けた。けれど、大人になってから「待てよ」と疑問が湧いてきた。確かに美談だけれど、本当の所はどうなのだろうか?特に、殺された方の母親の気持ちはどうだったのだろうか?と。それは、自分に子供が出来た時に、確信へと変わった。「そんな訳ない。おそらく、ものすごく葛藤があったに違いない!」と。

 あれから、45年。
 美談の裏に隠された真実に、私は少しでも近づけただろうか。この度上梓した「おやこしぐれ」の中に、私なりの答えを出したつもりだ。もし、手に取っていただけたら幸いである。      
                               了

                        


そうなんです・・・。
実はこのお話、45年も私の中で、温め続けたストーリーだったんですね。

いつかは「書こう、書こう」と思っていたのですが、自分に出来るのだろうか?と及び腰でした。

けれど、いい機会なので、チャレンジしようと書かせて貰いました。

なんだか、私の方も、書くことで、一区切りがついた、という気持ちでおります。なんだか、憑き物が落ちたような感じですね。

自分的には、割と今、すっきり!しております。(^^;)

そんな思いで書いた「おやこしぐれ」。
良ければ、覗いて見てくださいね。

☆それでは今日もよい一日を。

コチラもあります。(^O^)/