
M先輩の思い出
こんにちは。
誰も知らない時代劇作家、ナカるん♪です。
さて、M先輩の事をいざ書こうと思ったのですが、なにせ、私との付き合いは、学生時代の一時期だけなので、大した思い出はないのですが、、、
おそらく、私がその頃感じていた、先輩の事を余す事なく描くことが、彼への供養になるのかなと思い、引き続き、筆を取ることにします。
先にも書いたように、M先輩との出会いは、専門学校に通っていた時の事でした。
私たちが通っていのは、映像の学校だったので、一年生の時には、15分の短い映画を作るというのが、課題でした。
そのあと、30分ものを作るのですが、その時に出演してもらったのか、衣装を貸して貰ったのか、よく覚えていないのですが、それが出会いでした。
3年生になると専門に分かれていくので、彼は、脚本コースの学生だったと思います。
脚本コースは、学年末になると自宅で脚本を書いてくるというのが課題なので、卒業までは暇なのでした。
のちに、私もこの脚本コースに進むので、結局は、私の直属の先輩になるわけです。
M先輩は、私たちの映画の撮影に協力してくれたのはいいのですが、それ以来、なぜか私たちのクラスに入り浸りで、最初は、プロデューサー役の男子をお目当てにして来ていましたが、その子がうざがって相手をしなくなると、誰彼構わずそこら辺にいる子に話しかけていました。
そんな中で親しくなっていったのですが、やはり特徴は、その強烈なおねぇキャラでした。
当時、おねぇキャラは珍しく、テレビでは見かけても、実際に会うのは初めてでした。
先輩はシナを作り、小首を傾げながら相手の目を見据え(でも、可愛くはない・・・。完全なるずんぐりむっくり男子)、おねぇ言葉で、ものすごい勢いで捲し立て、その場の空気を一気にさらうと、最後には何故か説教になるので、だんだんと人が離れていってしまいました。
まあ、最後まで見捨てなかったのが、私を含む数人の女子だったという訳です。
まぁ、女の子たちは、おねぇが好きなのでね・・・。
けれど、人の好き嫌いもまた激しいので、クラスで一番可愛かった女の子には、手厳しく口撃しては、私のような、ずんぐりむっくり女子には優しかったです、はい。
まあ、今思うと、〝女〟として、ライバル視されていなかったのかもとも思うのですが・・・。
私も彼の毒舌は覚悟していたのですが、比較的、親切にしてもらっていた気がします。
ていうか、年下のクラスに参入して、誰彼構わず毒舌を吐き、しまいには、説教をするおかまを誰が好きになるでしょうか。
なので、しばらくすると、皆は彼の事を無視するようになってしまいました。
そんな中、無碍にも出来ずに、いつまでも私が、彼の相手をしてあげていたという気がします。
やがて、M先輩は、当時私が住んでいたアパートにも一人で遊びにくるようになりました。
なんでそういうことになったのか・・・。
おそらく映画の撮影で私の部屋も貸していたので、その関係で私の住まいを知ったのだと思います。
まったく遠慮会釈なく、女一人のアパートに、堂々とあそびに来て、あまつさえ、泊まってまでいくようになりました。
けれど、泊まっていくったって、もちろんそんな関係にはなりませんよ。
なにせ、相手は女に興味のない、おかまだったのですから・・・。
つづく