「パプってますか?」僕が今,一番使う生成AI「Perplexity」について
「生成AI、何を使っていますか?」と聞かれることが増えてきました。1年前だと、「Chat-GPT、使っていますか?」でしたが、最近は、生成AIも多種多様で、何を使うかに興味が移っている気がします。
僕は、一般的な生成AIとしては、
・Chat-GPT4o
・Claude 3.5 Sonnet
・Gemini1.5 Pro
を、用途に応じて使い分けていますが、最近はChatHubなどのツールで、3つに同時に同じプロンプトを入力して、表示された回答のいいとこどりをするケースが多いですね。
文章作成能力は、現時点ではClaude 3.5 Sonnetが僕の好みなので、最近はSonnetを使うことが増えてきました。
ただ、Chat-GPT4oには既にたくさん作ったGTP’sがあるし、DALL·E3があるので画像はChat-GPT4oで作りますし、Geminiは200万トークンまで読み込めるので、長尺の動画の文字起しする場合、絶対に必要です。
となると、どれも使うので有料会員はやめることができません。それだけでなく動画、画像、音声、などの専門AIも有料課金されていますので、結局合計、毎月約200ドル(約3万2000円)支払っています。AIサブスク課金が徐々に増えていくのが悩みの種ですね。
さて、こんなふうにたくさんサブスク加入してる生成AIですが、今、僕が一番使う回数が多いのは、「Perplexity(パープレキシティ)」です。
Perplexityとは
Perplexity(パープレキシティ)とは、以前Googleで働いていたエンジニアにて設立されたPerplexity社というベンチャー企業が開発した、AIを搭載した対話型検索エンジンです。
最近、ソフトバンクと提携して、ソフトバンクの携帯ユーザーは1年間、Perplexity有料版を無料で使えると発表されて話題になっていましたね。
Perplexity
https://www.perplexity.ai/
Googleが最も恐れているサービス
検索といえば「Google検索」一択ですが、このGoogleが今、最も恐れているサービスが「Perplexity」です。
なぜなら、Perplexityは、Googleと違ってAI検索を標榜しており、もはやGoogle検索のような検索エンジンはいらないのでは?と言われるほどにAI界隈では注目されているからです。
Googleの収益源の80%は広告収入で、その多くがGoogle検索画面のトップに表示される広告料です。つまり、Googleは、Google検索が使われなくなると広告料が減るため、最大の収益源を失うことになります。
Googleの脅威はOpenAIではない
Googleは、OpenAIと生成AIで競っているので、最大の脅威はOpenAI社だと思われていますが、実は違います。両社には戦略の差別化が出来上がっており、ライバルには成りえないと、以前記事にも書きました。
Googleが恐れているのは、デファクトでの検索エンジンの座を誰かに奪われることであり、そのためPerplexityと今後どのように戦っていくかが、Googleの大きな経営課題となるのです。
Perplexityに聞いてみた
PerplexityとGoogle検索の違い
では、Googleが恐れる、PerplexityのAI検索とGoogle検索の違いは何でしょうか? Perplexityに聞いてみましょう。
Perplexityに「Googleの検索とPerplexityの検索の違いを教えて」と入力すると次のような画面になります。
この画面に、Perplexityの特徴があります。
特徴①:自律的に調べてくれる
検索を始めると、指示もしていないのに、Perplexityは3つのことを順番にネット検索し始めました。
①Googleの検索の特徴を調べて、次に②Perplexityの特徴を調べて、最後に、③両社の検索の違いを比較しています。
仮に僕たちが「Googleの検索とPerplexityの検索の違いを教えて」と誰かに頼まれたら、何をどの順番で調べて、回答を作成すればいいか、を考えますよね? その場合、たぶんこの3つの検索をすると思いませんか?
Perplexityのスゴイところは、指示もしないのに、入力されたことに対して、自分で何を検索すればいいか自分で考えて実行しています。
これは以前に記した、自律型のAIエージェント機能そのものです。
加えて、画面の中に、「読み取り中」と書かれていますが、これは、どのサイトを検索しているかがわかる仕組みになっています。具体的には「ソース」というところで、検索したサイトのリンクが見られるようになっています。
そして、最後の「③両社の検索の違いを比較する」ときに、①と②で検索した結果をもとに、生成AIで文章をまとめています。
ちなみに、まとめの文章を作成する時に使う生成AIは、ChatGPT4oやClaude3.5 Sonnetなどが選択できますので、その時々の最新の生成AIが使える仕組みになっています。
回答は以下のように表示されました。
{回答}
Google検索とPerplexity検索は、どちらも情報検索を目的としていますが、そのアプローチや機能にはいくつかの重要な違いがあります。
Google検索の特徴
1.検索アルゴリズムとランキング
Googleは、ウェブ全体をクロールし、インデックスを作成し、検索クエリに対して関連性の高い結果を表示します...
2.高度な検索演算子
Googleは、特定の検索演算子(例:site:, intitle:, filetype:など)を使用して、検索結果を絞り込む高度な検索機能を提供します。
3.広範な検索オプション
Googleは、ウェブ、画像、動画、書籍など...
4.広告の表示
検索結果には広告が含まれており...
Perplexity検索の特徴
1.AI駆動の検索
Perplexityは、OpenAIのGPTをなどを活用して、ユーザーの質問に対する回答を生成します。
2.ユーザーの質問に対して、関連する情報をリアルタイムで収集し、要約した回答を提供します。
3.出典の明示
Perplexityは、生成された回答に使用された情報源を明示します...
4.広告なし
Perplexityの検索結果には広告が表示されません。...
5.特定の情報源のフォーカス
Perplexityは、検索対象を特定の情報源に絞ることができるため...
Google検索は、広範な情報を迅速に検索し、情報を提供する一方で、Perplexity検索は、AIを活用してユーザーの質問に対する具体的かつ信頼性の高い回答を提供することに特化しています。どちらの検索エンジンもそれぞれの強みを持っており、利用シーンに応じて使い分けることができます。
同じ検索を、Google検索で行うとどうなうでしょうか?
一番上に、広告サイトのリンクが表示されます。この広告は正直見たくないですが、これがGoogleの収益源なので、必ず表示されますよね。
次に検索したいことの回答が説明されてる可能性が高いサイトのリンクが表示されるだけなので、僕たちは、そのリンクをクリックして内容を確認して、検索したいことを自分で考えなければなりません。
広告が表示されず、知りたいことをまとめて回答してくれて、その回答の根拠となったサイトのURLリンクを教えてくれるPerplexity
広告が表示され、その下にリンクがいっぱい表示され、検索結果を得るために、何度も、URLリンクのサイトに移動しては戻るを繰り返すGoogle検索
どちらが便利なのかは、言うまでもありません。
特徴②:対話型である
検索した結果、Perplexityは以下の表示をしてきます。
PerplexityとGoogleの検索の違いを知った後、ほかにも知りたい情報はありませんか?
情報検索をしてら、「なるほど、こういうことか...だとしたら、あれは何だろう? これはどうなんだろう?」と思うこと、ありますよね?
情報検索したことで、さらに知りたいことが出てくるのはよくあることですが、Perplexityは、検索後に、僕たちと「対話」しながら、検索したいことの理解を深めてくれるような会話を促してくれるのです。
つまり、何かを検索すると、次にどんなことを知りたがるだろうか? ということを考えて、「関連」という形で追加の質問を促してくれます。
たとえば、今お伝えしてきた例のように、PerplexityとGoogle検索の違いが分かったら、では「PerplexityがGoogle検索より何が優れてるのか?」とか、「Perplexityを使うべき用途や場面は何か?」を知りたくなりませんか?
上記の「関連」の下に、その質問をPerplexityから提示してくれますので、そこをクリックすれば、質疑応答が続くのです。
これが、Perplexityが対話型の検索エンジンと呼ばれる理由で、この対話型で検索したいことの理解が深まっていくのは、Google検索では実現しない便利な検索の体験なのです。
Chat-GPTとは何が違うのか?
なるほど...Google検索と違って、広告も出ないし、知りたいことをどんどん対話によって理解できるようにしてくれる、検索エンジンなんだね。
でも、それってChat-GPTでもできるのでは? と思われませんか?
はい。そうです。Chat-GPTにも、BING検索機能を用いてネットから情報を集めて回答する機能はあるのですが、Chat-GPTは検索には不向きな生成AIなのです。
Chat-GPTが検索には不向きな理由
一部にはネットの検索元を表示してくれますが、すべてではありません。Chat-GPTが学習済みのデーターから引っ張って回答する場合は、参照情報源は表示されません。
そもそもChat-GPTは、何の情報をもとに質問の回答を生成しているかがよくわからない。要は、事実を調べたいという検索行為には、ハルシネーションの危険性がまだあるChat-GPTはそもそも向かないのです。
Perplexityにもハルシネーションはあるが
もちろん、Perplexityにハルシネーションがないわけではありません。なぜなら、ネットで集めてきた情報を元に最終的に回答を生成する部分に、生成AIを使っているからです。集めてくる情報も正確な情報とは限りません。
しかし、情報源が特定され、その情報のみを元に回答を生成するので、ハルシネーションが起きる可能性はかなり少ないです。
僕は毎日、Perplexityを使っていますが、「ハルシネーションだな、これ」って思ったことは数回しかありません。そう思えば、提示してくれている情報源を見に行けばいいので、さほど問題にもなりません。
Chat-GPTとの使い分け
Chat-GPTは、調べるという用途には向いておらず、何かの概念を知りたい、聞いたことないモノを調べる、文章の要約、文章や画像性を生成してブログを書く・・・そうしたことに使うべきAIです。
「ググる」でなく「パプる」
生成AIとGoogle検索を足して、かつ、対話型で検索することができるPerplexity、いかがですか?
最近は、「ググる」でなく「パプる」と言われるようになってきました。
今後、Googleも生成AI機能を搭載するでしょう。しかしそうなると広告が見られなくなって広告の収益源を失うことになるため、そのジレンマをどう解消するかが、Googleの課題です。
Perplexityのような対話型検索エンジンが、Google検索に代わってデファクトの検索エンジンになる時代が、そう遠くない未来に来る。そんな気がしています。