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自律型AIの進化 [CAMEL]-ヒトの代わりにAI同士が対話する世界-

 先日、Chat-GPTに自分で質問を考え、答えにたどり着くまで質問を繰り返す、自律的に動くAIである、「BabyAGI」についてお話ししました。

 これだけでもすごいのですが、「自律型AI」は自分で考え話すわけですから、「自律型AI」同士で会話させてみたい、と思うのは当然ですよね。



CAMELとは

 実は、AI同士が会話するシステムが既に存在します。「CAMEL」というAIです。CAMELとは、「Communicative Agents for "Mind" exploration of Large Scale Language Model Society」の略。これは自律型AIを2体作り、両者で対話して、作業を進めていくというものです。

 例を挙げて説明します。

 例えば、自律型AIの「A君」を「弁護士」に、「B君」を「相談者」にします。そして、ある問題を、法律的に、どのように解決するかを、B君がA君に相談する、といったことを2体にさせて、法律に則った結論を得る、といったことができます。

 AIが演じることのできる役柄は、俳優や、医者、農民、プログラマー、など何種類もあるので、例えば、医者が患者のカルテを管理するシステムの提案をプログラマーにお願いし、一緒に開発する、といったことも可能です。

 僕が何も命令しなくても、AI同士が勝手に、つまり「自動的に」話をするのです。このやり取りの会話を画面で見ていると、とても面白い。

 しかも、先日お話した「自律型AI」の「BabyAGI]と違って、2体で勝手に会話を進めてくれて、答えを出してくれるので、僕は2体のAIの会話を画面で見ながら、「なるほど~」と思いつつ、回答が得られるのです。

 これは正直「すごいな」と思いました。


25体の「自律型AI」を仮想の街に放ってみたら…

 このようなAIは、「自律型AI」から一歩進んだ「完全自律型AI」と呼ばれています。

 CAMELでは「完全自律型AI」は2体のAIでしたが、では、多数のAIを動かすと、どんな会話が起きるのだろう?という面白い実験が、先日、スタンフォード大学とGoogle社の研究チームで行われました。

 この実験では、性格の異なる「自律型AI」25体を作成して動かしました。

 性格の異なるAI、というのは、、要は、個々のAIの性別を設定し、どのような性格で、こんなことが好きで、こんなことが嫌いなAIです、と学習させることで、25体の異なるキャラクターを作り出した、ということです。

 そして、25体のAIを、寮、公園、学校、カフェ、バー、住宅、店舗などがある仮想の街に放って、AI同士がどのように交流し、どのような話をし、どのように振舞うのかを観察してみました。

 すると、なんと、AI達は、公園の中を歩き回り、カフェでお茶し、仲間と世間話をしたのです。さらには、あるAIにパーティーを企画させてみたら、全部のAIにそれが伝わり、中には、女性のAIにパーティに行かない?とデートに誘うAIまで出てくる始末。

 こうなると、我々ヒトの行動と変わらないですね。

真のAGI登場は意外に早いのかも

 もちろん、そうはいっても、この「自律型AI」は、AGIには程遠いでしょう。

 それでも、AIが自分で考え、ヒトと同じような行動をする、というのは、もはや驚き以外にありません。

 意外に早いタイミングで、真のAGIが出来上がるかもしれません。


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